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イラン旅行の際に知っておくべき11のコト 「まだ行ける未知の国:イラン」

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「ステンドグラスの光が絨毯に映り込んだナスィーロル・モルク・モスク@シーラーズ」

 みなさん中東にはどんなイメージを持っていますか?

危ない、怖い、貧しい、などそんなことを思う人も多いかもしれません。

 

実際、中東各地で様々な問題がありますね。

最近では、「イスラム国(ISIS)」の興亡やシリア内戦、イエメン内戦、サウジアラビアとイランの対立激化、トルコのクーデター未遂、パレスチナ問題、難民問題など、、、頭が痛くなりそうですね。

 

しかし、「今は行くことができない未知の国」も非常に美しく良い国だったと聞きます。

イエメン、アフガニスタンイラク、シリア、パキスタンなど、、、

どこも以前は多くの旅人が訪れていた国ですが、今となっては行くことが非常に厳しいです。

とてもとても残念ですね。

一日も早くこれらの地域に平和と発展が戻ってくることを願ってやみません。

 

一方で、中東を旅した一人としてわたしが伝えたいのは、

「中東はとても安全で美しい!」(基本的に)ということです。

もちろん、内戦が起きていたりテロが頻発しているような地域、それらの地域に近い地域などは、残念ながら、危ないので普通の人は行くべきではありません。

ただ、そのような地域に行かない限りは、中東はとても安全で美しいです!

 

わたしは2014年の2月〜4月にかけて、

トルコ→イラン→アラブ首長国連邦(UAE)→ヨルダン→パレスチナイスラエル

を旅しました。

 

この中でも、イランは非常にオススメです(実際中東の国はほとんどオススメなのですが笑)。

理由はキレイな景色や親切な人などいろいろあるのですが、とにかく重要なのは次です!笑

 

日本ではイランというとアメリカを大嫌いな危ない国」というイメージがある気がしますが(私もイランに行く前はそのような想像をしていました笑)、安心してください。

イランにはまだ行くことができます。

そう、イランは「まだ行ける未知の国」なのです!!(行けない国にならないことを心から願っています)

そして、イランに行くことは旅行として素晴らしいだけではなく、自分が今まで伝聞でしか知らなかったイランという国のイメージをガラリと変える非常に貴重な経験となることは間違いないです!

 

そこで今回は、イランに行く人の少しでも参考になるように、「イラン旅行の際に知っておくべき11のコト」について書きます。

(ちなみに、旅行以外の目的でイランに行く人にも参考になることがあると思います)

ただ、わたしがイランに行ったのは2014年なので状況がいろいろと変わっているかもしれません。

ぜひ最新情報についてもいろいろ調べてみてください。

 

 

知っておくべきこと 

①「イランは"基本的に"非常に安全」

 

まず、わたしはイランに行ったことがある人を何人か知っていますが、みんな口を揃えて言うことは、「イランは非常に安全」だと言うことです。

確かに、イラクアフガニスタン国境地帯は危険で外国人は行くべきではないですが、普通の人が訪れるイランの都市はどこもとても安全です。

わたしは今まで比較的貧しい国ばかりを20以上行きましたが、その中でもイランは最も安全な国の一つだと感じます。

ただ、トルコ東部からイランに陸路で入るときに通った、バザルガン(Bazargan)とマクー(Maku)だけはふっかけてくるうざい人が多かった印象です。

まあ、陸路国境なのでしょうがないですね。

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「”あのイラン”には世界6位の高さのボルジェ・ミラード・タワー(435m)がある@テヘラン

 

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「タワーからの景色。テヘランは実はこんなに”大都市”@テヘラン

 

知っておくべきこと

②「イラン人は世界トップレベルに優しいが、人種差別的なちょっかいを出して来る若者も一定数いる」

 

もう一つイランに行ったことのある人がみんな口を揃えて言うことは、「イラン人は非常に親切」だと言うことです。

世界一周した友達が、「イラン人は世界で一番優しいと思う」と言っていたのも印象的です。

わたしも各地で数え切れないくらい助けてもらったりいろいろと歓迎してもらいました。

イメージ的には、イラン人はゲスト(旅人)をもてなすのが好き的な感じです(おそらくイスラム教が関係している)。

例えば、ただ同じバスに乗ってただけでマフィンを20個もらったり、通りすがりの若者たちに町中の観光地に車で連れていってもらって特産物のお土産ももらったり、満席のバスのチケットをなぜか譲ってもらったりと、、、本当にイラン人はいい人ばかりでした。

むしろ優しすぎるので、いつも他の国を旅するときのように少し警戒していると、そのままただただめちゃくちゃいい人のまま去っていくので、逆に「なんでやねん!」ってなります。笑

一方で見逃せないのは、特に若いイラン人男性が外国人(特に東アジア人?)に対して、差別的な/挑発的な態度を取ることがしばしばあったことです。

例えば、わたしはよく通りすがりに「チン・チャン・チョン」と言われました。

基本的に言葉や動作だけなので、別に何か直接的な害があるわけではないですが、そういうこともあり得ると知っておいたらいいかもしれません。

わたしの場合、これまでどこの国でもそのような態度をとられるような経験をしたことがなかったので、ある意味とても良い経験になりました。

でもどうやら、これは中国人に向けられた差別用語だという説もあるらしいですね。

 

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「イランで通りすがりにもらった食べ物たち。優しすぎて逆にこわいイラン人・・・」

 

知っておくべきこと

③「物価はかなり安い」

 

個別に何がいくらだったかは思い出せないのですが、イランでは食べ物から交通費、宿泊費まで、基本的に全てのものが非常に安かった印象があります。

わたしはイランに滞在した2週間でたったの450万リアルしか使いませんでした。

食べ物や交通費、宿泊費を全て合わせてたったの450万リアルです。。。

え、450万リアルって全然たったのじゃないって?

当時のレートで450万リアルはたったの150アメリカドルほどでした。笑

比較的に物価が高い中東で、2週間をたったの150アメリカドルで過ごせるのはめちゃくちゃ安いですよね。

日本からイランへの安い航空券も見つけられたら、2週間のイラン旅行が全て含めて10万円以下でいけちゃいますね!笑

ただ、イランの経済状況はアメリカを中心とした経済制裁などで不安定かと思われるので、最新の状況もどうにかして調べた方がいいと思います。

 

知っておくべきこと

④「両替の公定レートと闇レートにはかなり大きな開きがある」

 

経済制裁の影響か、通貨両替の公定レートと闇レート(街中の実際のレート)にかなり大きな開きがあります。

例えば2014年に私が行ったときは、100アメリカドルの両替は公定レートだと250万リアルでしたが、闇レートだと300万リアルになりました。

つまり、正式な銀行で両替するとおそらく公定レートが適用され、多額の損をすることになります(わたしのときだと50万リアルも!)。

そのため、いろいろな場所にある個人の両替店を利用するのがベターです。

ただ、お金の単位が非常に大きく札束も分厚くなるため、両替時に受け取る金額を騙されないように気をつけたほうがいいです!(桁が一つ少ないお札を渡されたり、もらうべき金額より安い金額を渡されたり、偽札あるいはボロボロのお金を渡されたり、等)

両替のレートもかなり変動しているようなので、イランに行く前にはあらかじめ最新の情報を調べてみるといいと思います。

ちなみに、2018年7月のレートを見てみたら、100アメリカドルは約430万リアルにもなるそうです!

おそらく、闇レートで両替すると100アメリカドルで500万リアルくらいゲットできるんですかね?笑

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タブリーズにある世界最古で最大の市場。100USDが400万リアルならいいペルシャ絨毯はいったいいくらするんだろう。」

 

知っておくべきこと

⑤「イランでの必要経費を全てカバーすることができる量のアメリカドルを現金で持参する必要がある」

 

経済制裁の影響で、VISAやMaster Cardなどのクレジットカードが使えないため、全ての場面で現金を使う必要があります。

ただ、日本円を両替することができる場所はかなり限られているため、基本的に全ての必要経費をあらかじめアメリカドルで用意しておく必要があります。

唯一テヘランには日本円を両替できるお店があったことを覚えていますが、他の都市でも日本円で両替できるかはわかりません。

あと、ユーロも比較的どこでも使えたかもしれません(明確には覚えてないので、やっぱりアメリカドルがベストです)。

 

知っておくべきこと

⑥「ネット検閲があるため、VPNをイラン入国前にあらかじめダウンロードしておく必要がある」

 

VPNという検閲回避方法を使わないと、基本的にGoogleFacebook、確かLineも使うことが出来ません

また、イラン入国後は検閲のせいでVPNのアプリがダウンロード出来ないため、イラン入国前にダウンロードしておく必要があります。

実際現地では、ダウンロードをし忘れてネットが長い間使えずに困っている人にも遭遇しました。

どのVPNがいいかはいろいろ調べてみれば誰か書いている人がいるはずです。笑

スマホは無料のものがいっぱいありますが、パソコンは基本的にどれも有料です。

ただ、検閲を回避するということは厳密にいうと「違法」かもしれないので、自己責任で十分注意してください。

 

知っておくべきこと

⑦「ビザはトルコ東部トラブゾンにあるイラン総領事館じゃないと取れない(?)」

 

イランビザの取り方についてはいろいろ複雑で、正直よくわかりません。笑

ただ、わたしがイランに行ったときは、トルコ東部トラブゾンにあるイラン総領事館じゃないとイランビザが取れないというのが「通説」でした。

そのため、トルコに用がない人でもトラブゾン経由でイランに来ていました。

ただ、ビザをもらうには確か最低でも1日以上かかるので、トラブゾンに宿泊する必要が出てきます。

ビザの取り方もやはり状況に従っていろいろと変更が考えられるので、ネットで最新情報を調べるのが最善です。

最近は近隣国からいろいろと安い飛行機も飛んでいるので、もしかしたらビザの取り方が変わっているかもしれません。

 

知っておくべきこと

⑧「女性一人でイラン旅行に行くのはほぼ不可能?あるいは、もし入れても厄介ごとがたくさんある」

 

これは非常に残念なことですが、イランはイスラムを厳格に適用している国ということもあって、女性には(外国人も含めて)様々な制約が及びます。

そのため、女性がイランに行きたい場合にまず懸念されるのは、そもそも女性一人でイランに入れるのかということです。

実際、わたしはイランに行ったことのある女性を何人か知っていますが、どの女性も一人では行っていません

私の知っている人は、男女のカップルで行った人や女性の友達同士で行った人たちです。

入国場所や時期、審査官によって状況も変わると思うので、女性一人では絶対に入れないとは確証を持っては言えませんが、イランに女性一人で入ることはかなり厳しいとよく他の旅人から聞いたことがあります。

そのため、みんな複数人で行くのでしょう。

また、たとえ女性一人でイランに入国できたとしても、旅行中のあらゆる場面において様々な問題が起きるはずです。

例えば、レストランや他の様々なお店から入店を拒否されたり、バスや電車などでもめたり、夜に出歩きづらかったり、ホテルから滞在拒否されたりと、様々なことが想定されます。

もちろん、これらも必ずそうだと言える訳ではありませんが、女性一人だということで様々な問題が起きることはほぼ間違い無いです。

そのため、女性がイランに行きたい場合は、基本的には一緒にイランに行ってくれる仲間を見つけることが最善です。

 

知っておくべきこと

⑨「イランに行くことでイスラエルアメリカの入国がかなりめんどくさくなる」

 

まず、イスラエルはイランと敵対しているため、イランに入国したことがある人を外国人でもかなり警戒しています。

そのため、基本的に日本人はイランに行ったとしてもイスラエルに入国することができるとは思いますが、イスラエル入国時にイランについてかなり調べられることを覚悟しておく必要があります。

わたしの場合も、イランに行ったあとにイスラエルに行きましたが、国境でイランに関してかなり聞かれました。イスラエルはただでさえ世界一じゃないのかと思うほど出入国審査が厳しいので、イランに行っていると、なおさらめんどくさくなります。

そして、もっと問題なのはアメリです。

アメリカは2015年のフランスでのテロ以降、イランを含めた一部の国からの入国をかなり厳しくし、イランへの渡航歴のある外国人にビザの取得を義務付けました。

そのため、日本人であれば本来はネット上でESTAを申し込んで簡単にアメリカに行けたのが、イランに行った場合はESTAを今後15年間取ることができず、アメリカに行くたびに観光ビザなどの取得を義務付けられます。観光ビザはアメリカ大使館に出向いて申請や面接をしなければならない上、値段もほぼ2万円と非常に高いのでとても厄介です。

それでも、ビザを取ればまだアメリカに行くことはできるのですが、現地の空港の入国審査でも厄介があります。

例えば、わたしはイランに行った後に観光ビザでシカゴに遊びに行ったことがありますが、その際どうやら危険人物あるいは不審者とマークされ、個別のスペースで1時間ほどかなり攻撃的に尋問を受けました。

わたしは結果的に入国させてもらえましたが、もうアメリカには可能な限り来たくないと思うほど、不条理に感じる入国審査でした。

イメージとしては入国審査官が自分のことを犯罪者と決めつけて問い詰めてくる感じです。

もちろん、おそらくこのような審査が全てのイラン渡航者に課されるわけではないでしょう。

わたしの場合は、特に中東や他の比較的貧しい地域を周っていたのでマークされたのかもしれません。

ただ、イランに行くからには、このような不便が長い間つきまとうかもしれないということを覚悟しておく必要があります。

しかし、アメリカのこのような非常に厳格なビザの規定は政治的なものなので、国際情勢が変われば急にまた変わるかもしれません。

国際情勢が改善し、このような制約もなくなってくれると嬉しいですね。

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「元アメリカ大使館の外壁に描かれたアメリカ風刺のグラフィティ@テヘラン

 

 

知っておくべきこと

⑩「イスラム教やイランの風習に従う必要がある(特に女性)」

 

外国人でもイスラムの教えやイランの風習に従う必要があります。

例えば、髪を隠すスカーフは外国人でも女性は必須です。また、肌を露出する格好もNGです。

あと、男女共に関わるのは、飲酒が禁止なことがありますね。

イラン滞在中にお酒を見たことは一度もありませんでした。

ただ、現地人と話していると人によっては自分でお酒をつくって内緒で飲んでいる人もいるようです(違法ですが・・・)。

あと、バスなどで男女が隣にならないように座る必要などもありました。

また、同性愛も基本的にタブー視されているので(おそらくイスラム法との関係)、残念ではありますが、もし自分がそうであっても隠すのが賢明です。

他にもいろいろあったと思いますが、あとは覚えてないので、現地で直接体験してみてください。笑

 

知っておくべきこと

⑪「ペルシャ数字を覚えないと数字さえもわからず何かと困る」

 

イランではバスの番号や商品の値段など、様々な数字がペルシャ数字で書かれています。

そのため、もし私たちが普段使っている1, 2, 3などのアラビア数字しか知らないと、言葉だけではなく数字もわからないのでイランでは非常に困ります。

ペルシャ数字も0から9まで覚えてしまえば、あとは組み合わせでだいたい数字が読めるようになるので、なんとか覚えてしまうのが便利です。

 

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「絶妙な青色とタイルワークが最高に美しいイスファーンのエマーム・モスク」

 いかがでしょうか?

 

「まだ行ける未知の国:イラン」

 

もしこれからイランに行く方は、気をつけて楽しんで来てください〜

 

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