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北京大学燕京学堂Yenching Global Symposiumとは  ~世界中の仲間と中国について議論する4日間~

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北京大学大学院燕京学堂 日本向け説明会のお知らせ(2023/9/9(土)21:00-22:00)】

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

 

 

 

(記事のはじまり)

2018年4月、北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy=イェンチン・アカデミー)のYenching Global Symposium(イェンチン・グローバル・シンポジウム)に、唯一の日本人として参加したKazuki Miyazakiさん。今回、世界中4000人の応募者の中から選ばれた80人の内の1人となったMiyazakiさんに、シンポジウムの概要や参加した経緯、北京での活動、学んだこと、伝えたいことなどについて聞きました!(あるところに掲載予定だったためインタビュー形式となっています)

北京大学燕京学堂(Yenching Academy)がどのようなプログラムなのかについてはこちらを見てみてください:

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★Yenching Global Symposiumのホームページ:

*2019年3月末に行われるYenching Global Symposium 2019に参加するための応募締切は2018年12月8日23時59分(北京時間)です!

yenchingsymposium.org

 ――そもそもYenching Global Symposiumとは何ですか?

北京大学内に2014年に設立された全額奨学金修士プログラムのYenching Academyが、年に1度北京大学で開催している4日間の国際シンポジウムです。毎年、世界中から中国に関心のある30歳以下の若者(学部卒以上)が北京に招聘され、現地の学生や多様な分野の専門家などと共にその年ごとのテーマに沿って様々な活動に取り組みます。今年は、”Renaissance: China’s Journey in a Global Future”というテーマのもと、これからの国際社会における中国の役割や立場に焦点を当てて多くの議論や交流が行われました。北京への渡航費や現地での宿泊施設、食事などは全てYenching Academyによって提供されます。使用言語は英語です。

ちなみに、2019年のYenching Global Symposiumは“Wǒmen: Retelling the China Stories”というテーマで2019年3月末に3日間開催されます。

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――なぜYenching Global Symposiumに参加したのですか?

日本の大学で国際関係学を専攻し、副専攻として平和学を修了した私にとって、中国は常に好奇心を刺激する存在でした。政治やビジネスなど、どの分野に関わるとしても、中国は日本と世界にとって良くも悪くも非常に重要だと思うからです。そのため学部時代は、半年間中国に留学しました。日本は中国に近いとはいえ、現地に行かなければわからないことも多いため、今回改めて中国に行って理解を深めたいと思い、参加しました。

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――北京ではどのような活動をしましたか?

シンポジウム期間中の4日間は朝から夜まで多種多様な活動が行われました。例えば、基調講演では中国の元外務副大臣などから「一帯一路」や「アジアインフラ投資銀行」、「中国の国際関係」などについての話があり、パネルディスカッションでは各分野の専門家と共に、「文化」、「起業」、「経済」、「女性」、「教育」、「環境」、「保健」、「科学技術」などについての議論が行われました。その他にも、参加者がそれぞれの研究を発表する機会や中国のNGOを訪問する機会、中国文化を体験する機会、伝統音楽鑑賞会、交流会、懇親会、北京市内の観光地を訪問する機会などがありました。これらを通じて、参加者は様々な側面から中国に対する理解を深めることができました。特に面白かったのは、どの活動でも常に参加者同士が積極的に議論や交流をしていて、私も声が枯れるほど毎日ずっと誰かと活発に話していました(笑)。

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――特に何を学び、何を思いましたか?

米中貿易摩擦や中国の民主主義、中国発のイノベーションと科学技術、活発な起業活動、環境問題への対策、伝統家屋のリノベーション活動など多岐にわたる事柄を学びました。

特に印象的だったのは、世界における中国の役割や能力に関して、中国人と外国人の認識の間にギャップがあったことです。外国人の側から台頭する中国を見ると、「中国は世界を変えようとしている」・「中国は世界の脅威になり得る」という議論がある一方で、「本当に中国が世界秩序を変えられると思う?」と言っていた中国人自身の純粋な疑問は、今年のテーマが「これからの国際社会における中国の役割とは」に設定された理由を象徴していました。日本も高度成長期を経て図らずもその「台頭」を警戒された時期があり、現在の中国に関する議論も多少日本の経験に似ているなと思いましたが、実際に「世界一の経済大国」になることが予想される中国がこれからどこに向かうのかは非常に興味深いです。

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――最後に伝えたいことはありますか?

正直、北京に行く前はシンポジウムに参加することに「ビビって」いました。事前に配られた参加者プロフィールの至る所にあった「キラキラした」経歴で目が眩んでいたためです。しかし、シンポジウムを終えてみると、勇気を振り絞って一歩を踏み出し、全力で挑戦したことは大正解だったと確信しています。確かに、挑戦すると失敗することもあるかもしれませんが、挑戦しない限り成功することもないからです。努力も同じで、どんなに努力をしても成功するとは限りませんが、努力しない限り成功することもない(基本的には)と思います。私はいつも自分の能力よりも高いレベルで挑戦することで自らを成長させることができました。また、肩書きやそれまでの経歴に関係なく、実際に会ってみるとみんな平等で、今、そこで、何ができるのかという中身の方が重要だと学びました。そのため、常に全力で最高のパフォーマンスができるように努力しようと思いました。

今回、私は唯一の日本人参加者でしたが、このような国際的な場には日本人の存在がもっと必要とされていると思います。例えば、ある国が対中国関係を考えるときには、中国だけではなく日本などその他の国との関係も重要なためです。同じように、日本が対中国関係を考えるときには、世界との関係にも目を向ける必要があります。そのため、あなたがどの国・地域に関心があるとしても、是非これからももっと多くの日本人にこのような活動に積極的に参加して欲しいと思っています。

最後に、シンポジウムの閉会式で聞いた印象的な言葉を紹介します。

“Don’t wait for answers, JUST GO for it”

「答えを待つな、ただそれに向かって突き進め」

私たちは、それぞれ様々な形の夢や目標、アイデアなどを持っています。

それを実現するためには、答えを待つのではなくまずはとにかく挑戦することが重要かもしれません。

 

私はこれからも様々なことに挑戦していきます!

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――YGSの選考通過に重要な要素(おまけ)

Yenching Global Symposiumの選考を通過するために、重要そうな要素を参考までに少しまとめてみました。

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中国:中国に関する興味や知識・経験、中国語能力(必須ではない)があるか
経験:多様で、ユニークで、「すごい」と評価される経験があるか
英語:各種英語試験で高スコアがあるか(応募するための最低点は設定されていないが、IELTS: 7.0点以上、TOEFL IBT: 100点以上、Cambridge: 180点以上、CEFR: C1以上のスコアがあることが望ましい
良い応募書類:各種質問に正確に、印象的に、興味深く、良い回答ができるか
時間:シンポジウムの全日程の間、北京に滞在できる時間があるか
「何か」:あなたを選びたいと思わせる「何か」を持っているか(情熱、根性、運、魅力、タイミング、相性、将来性、「  」など)
 
*①から⑥までの要素がより多く揃っており、なおかつそれぞれのレベルがより高いと、選考に通る可能性が上がると考えられる
➡︎高いレベルの各要素を持った、中央「★」の位置にいる候補者になることが理想
➡︎そうでなくても、より中央「★」に近づくことが重要
*成績の提出は求められないため、学業成績は直接的には選考に影響しない
*多様性が重視されるため、国籍により選考の難易度は多少変動すると考えられる
*実際どんな人がDelegateとして招待されたのか気になる場合は、次のリンクから2018年の参加者のプロフィールが見れます:
シンポジウム自体は本当に最高の経験になると思うので、応募される方は是非頑張ってください!!

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Yenching Global Symposium 2019

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