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【完全ガイド】清華大学Schwarzman Scholarsへの応募 ~必要事項と対策~

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Schwarzman Scholarになるには...? | 参照: https://www.schwarzmanscholars.org

 

 

 

北京大学大学院燕京学堂 日本向け説明会のお知らせ(2023/9/9(土)21:00-22:00)】

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(記事のはじまり)

この記事では、英語を用いて1年間で修士が取れる全額奨学金プログラム=清華大学Schwarzman Scholarsの応募についてまとめています。応募に必要な情報(資格要件や応募書類)や応募に関するアドバイスを書いてあるので、Schwarzman Scholarsへと応募を考えている人はぜひ参考にしてみてください。「4. 各応募書類作成に関するアドバイス」は海外の他の大学や院などに応募しようとしている人にも多少は参考になるかと思います。また、Schwarzman Scholarsに興味があればそのライバルプログラムである北京大学のYenching Academy(イェンチン・アカデミー)にも興味があるはずです。そちらについても、後日Schwarzman Scholarsと同じように詳細にまとめます。

*Schwarzman Scholarsに2021年9月入学するための応募締切は2020年9月あたりです!!

★Schwarzman Scholarsがどのようなプログラムなのかについてはこちらを見てみてください:

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清華大学Schwarzman Scholarsホームページ:

https://www.schwarzmanscholars.org

★また、「なぜ中国なのか」という点については次の記事を見てみてください:

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北京大学Yenching Academyホームページ:

http://yenchingacademy.org

[追記!!]

★Yenching Academyがどのようなプログラムなのかについてはこちらを見てみてください:

1. 応募に必要な資格

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美しい北京に最高のプログラムで行くためには...

まず応募に際して、絶対に満たしていなきゃいけない条件は以下の三つです。

  1. 学位 (学部卒以上=専攻はなんでもいい) *まだ学部を卒業していなくても応募できるが、2019年8月1日までに卒業できる必要
  2. 18歳以上〜29歳以下(2019年8月1日の時点で)
  3. 英語能力 (英語が母語でない場合はTOEFL PBTかTOEFL IBTかIELTSのスコアの提出が必須。最低でも、TOEFL PBT: 600点以上、TOEFL IBT: 100点以上、IELTS: 7以上のスコアがないと応募できない。) *学部時代に2年以上英語で教育を受けた場合や大学院以上の教育機関で2年以上英語で教育を受けた場合はスコアの提出が免除される

他にも国籍や成績、履修履歴などについて記載がありますが、「基本的にはどんな状況でも良い」ということらしいです。より詳しくはホームページの該当欄を確認してみて下さい。https://www.schwarzmanscholars.org/admissions/eligibility/

 

2. 応募に必要な書類

Schwarzman Scholarsの応募書類は量が多く、それぞれ質もかなり高いものを要求されるので、準備がかなり大変です。これ、本当にかなり大変です。笑 (でも、2020年9月締め切りの応募は、以前に比べると書類の量が減って少し楽になっています!)

Schwarzman Scholarsのホームページに載っている、応募書類は以下の通りです。これらの書類をオンライン応募システムで提出することで応募が完了できます。

  1. Statement of Purpose and Leadership (志望動機とリーダーシップ経験について: 750字以内)
  2. Current resume/CV (履歴書: 2ページ以内)
  3. Transcripts/Academic records (成績表: 今までに取った学部や修士のもの全てを英語で)
  4. Letters of recommendation (推薦書: 三通=その内一通はStatement of Purpose and Leadershipで書く自分のリーダーシップ経験についてコメントできる人から取らなきゃダメ)
  5. Current Affairs Essay (時事問題小論文: 500字以内=自分で選んだ時事問題について書く)
  6. Video (動画: 1分以内=自分の好きな形で自分を紹介できる) *提出を強く勧められているが、提出するかは強制ではなく選択できる
  7. 英語試験のスコア (TOEFL PBT: 600点以上、TOEFL IBT: 100点以上、IELTS: 7以上) *英語が母語じゃない人はTOEFL PBTかTOEFL IBTかIELTSのスコアの提出を要求されます。それぞれの最低点を満たしていないと応募すらできません

それぞれの応募書類を作成するにあたり、ヒントになるかなーと思ったことは「4. 各応募書類作成に関するアドバイス」にまとめてあります。

 

3. 応募に際して期待あるいは要求される力

この項目は、ほぼわたしの予測ですが、Schwarzman Scholarsで特に要求されるものは「21世紀の新しい政治経済状況に対応できるそれぞれの分野のグローバルリーダーになる素質」ではないでしょうか。「21世紀の新しい政治経済状況」とは、中国が台頭した新しい世界秩序のことです。つまり、奨学生は卒業後にそのような新しい世界状況の中で政治、経済、社会、科学など様々な分野で「すごい人」になることが期待されています。そのため、Schwarzman Scholarsは選考において、特に奨学生のリーダーシップ経験/能力を重視しているように感じます。リーダーシップ経験とは、ただ単に何かの団体のリーダーをしていたということではなく、「自分で何かを立ち上げた、あるいは何かを率いて、実際に行動を起こし、何かを達成した」ということなのではないかと思います。そのため、ホームページにも書いてありますが、ただ単純に何か難しい仕事を任せられてそれをやり抜いただけでは、必ずしもリーダーシップ経験とは評価されません(マネジメント能力としては評価されるでしょうが)。あまりリーダーシップ能力というものを特に重視しないあるいは教育しない日本の普通教育を受けてきた人にとっては、Schwarzman Scholarsのリーダーシップ経験への要求がとても高いハードルになるかもしれません。そのため、もし応募を考えていて本気でSchwarzman Scholarsになりたいなら、戦略的にでも何か良いリーダーシップ経験になることに挑戦した方がいいと思います。もしSchwarzman Scholarsにならないとしても、そのような経験はとても貴重で有意義なものになると思います。

あとは、もちろん大学時代の成績(GPA)も重視されています。応募に際してGPAの最低点が設定されておらず、どんな成績でも応募できますが、実際は「かなり良い大学のかなり良い成績」が期待されていると思います。応募者も多いので結果としてそうなっているのでしょうが、実際ほとんどの奨学生は「かなり良い大学のかなり良い成績」を持っているように感じます。なので、応募を考えているのであれば、どんな授業でも良い成績を取れるように努力して良いGPAを獲得することが重要です。

まとめると、Schwarzman Scholarsのようなプログラムに合格するには、上で挙げた事柄とその他のいくつかの事柄が重要だと思います。ただ、重要な事柄は必ずしも以下に限られないし、またこの内のいくつかを欠いていても合格することはもちろん有り得ます。

  1. リーダーシップ経験と能力
  2. かなり良い大学のかなり良い成績
  3. 中国に多少なりとも関連した将来の目標/野望
  4. 応募書類やビデオを説得力と魅力のある良いものに仕上げる力
  5. ユニークかつ/または特筆すべき経験/成果
  6. 多様な人とのネットワーク
  7. 高いコミュニケーション能力
  8. 高い学力/知力
  9. 高い英語能力
  10. あなたを選びたいと思わせる何か (情熱、根性、運、魅力、タイミング、相性、将来性、「  」など)

ちなみに、中国でやるとはいえ英語のプログラムなので、中国語の能力はあれば気持ちプラスという程度で実際はほぼ関係ないと思います。

 

4. 各応募書類作成に関するアドバイス

各応募書類を作成するにあたり、ヒントになりそうかなーと思うことを挙げておきます。

1. Statement of Purpose and Leadership (志望動機とリーダーシップ経験について: 750字以内)

750字以内で志望動機とリーダーシップ経験の二つについてまとめる必要があるので、どちらも簡潔にわかりやすく大事なポイントを記述することが重要でしょう。志望動機で特に重要なのは、「なぜSchowarzman Scholarsがあなたの目指すものと重なっているのか」(Why is your goal in line with the Schwarzman Scholars?) ということをわかりやすく説明して、選考者たちに「あなたの目標のためにはSchwarzman Scholarsが必要だ」と信じこませることでしょう。このポイントが抜けていたり、あなたの目標がプログラムと重なっていないのであれば、合格することは極めて難しいでしょう。なので、どんなにめちゃくちゃ優秀な人でも、プログラムと関連性が全然なければ合格するのは難しいでしょう。あと、Schwarzman Scholarsはかなり欧米的なプログラムなので、個人的な来歴をうまく使って志望動機にストーリー性を持たせると良いかもしれません。

リーダーシップ経験で重要な点は、「あなたに素晴らしいリーダーシップ経験があり、なおかつ将来的にグローバルリーダーとなっていく意欲と素質がある」ということを納得させることでしょう。そして、リーダーシップ経験とは上でも書いたように、ただ単に何かの団体のリーダーをしていたということではなく、「自分で何かを立ち上げた、あるいは何かを率いて、実際に行動を起こし、何かを達成した」ということだと思います。なので、単純に何か難しい仕事を任せられてそれをやり抜いたというような、マネジメント経験とも解釈され得る経験はあまり書かないほうが賢明かもしれません。ホームページ上には、そのようなことはリーダーシップ経験として書くなとあります。あと、リーダーシップ経験の内容は推薦書で書いてもらうものと戦略的にうまくシンクロさせて、相乗効果が出るように仕上げると良いと思います。

2. Current resume/CV (履歴書: 2ページ以内)

簡潔にわかりやすくまとめれば良いと思います。項目としては、リーダーシップ経験も入れておくと良いでしょう。

3. Transcripts/Academic records (成績表: 今までに取った学部や修士のもの全てを英語で)

全て英語で取りましょう。英語がない場合は、正式な通訳に頼んで翻訳してもらう必要があります。

4. Letters of recommendation (推薦書: 三通=その内一通はStatement of Purpose and Leadershipで書く自分のリーダーシップ経験についてコメントできる人から取らなきゃダメ)

推薦書は、多様でより地位のある人からもらえる方が、そうじゃないよりかは良いと思いますが、必ずしも推薦者の身分では選考されないと思います。自分のことをよく知っている、あるいはちゃんと話せる知り合いなどの中から、中国にあるSchwarzman Scholarsのプログラムへ推薦書を書いてもらうのに適している人にお願いするのが良いと思います。推薦書を全て集めるのは、推薦者の都合もありけっこう時間がかかるので、可能な限り早く準備を始めるようにした方が良いです。

あと、推薦書は内容もとても重要だと思います。推薦者にただ「推薦書をお願いします」と投げただけでは、忙しいこともあり内容はあまりよろしくないものになってしまう可能性があります。そのため、可能であれば推薦書を書いてもらえるようお願いする際に、どのようなプログラムに応募していて、なおかつその推薦者には自分のどのような点を特に強調して示してほしいかを伝えておくと良いでしょう。それぞれの推薦者に自分の異なる強みや良い所を書いてもらうことで、自分というものをより深く多面的に示すことができ、より良い候補者となれるでしょう。例えば、Schwarzman Scholarsの場合は推薦書が三通必要なので、一通目はリーダーシップ経験について、二通目は自分の中国に関する活動や目標、情熱などについて、三通目は自分のすごさやユニークさについて、などというようにうまく使い分けることで、推薦書を通してもより効果的に自分を売り込めるでしょう。

推薦書の長さ的には、短すぎず長すぎず500字程度がちょうど良いのではないでしょうか。

5. Current Affairs Essay (時事問題小論文: 500字以内=自分で選んだ時事問題について書く)

時事問題であれば基本的には何について書いても良いようです。このエッセイのポイントは、ちゃんと今の問題を分析して論じる知識や能力があるのか、そしてその問題に対して現実的な解決策を提案できるのか、という所でしょう。なので、大学で学術的な論文を書く要領で臨めば良いと思います。ただ、500字しか与えられていないので、その中で論をうまく展開させて、わかりやすく説得力のあるものにまとめる必要があります。

6. Video (動画: 1分以内=自分の好きな形で自分を紹介できる) *提出を強く勧められているが、提出するかは強制ではなく選択できる

ビデオの提出は選択式ですが、基本的には提出した方が良いと思います。選考側が「強制ではないが提出を強く勧める」と言っているし、ビデオではより直接的に自分を売り込めるからです (もちろん、使い方によってはマイナスの影響を与えかねませんが)。

ビデオの内容としては、自分をうまく伝えられるものであれば本当になんでも良いと思います。あくまでも、ビデオのポイントは自分を売り込むことにあるので、大事なのはその内容です。そのため、ビデオはかっこよく編集されたプロフェッショナルなものである必要は全然ないと思います。内容が良いのであれば、ただ自分の部屋でパソコンを使って撮ったもので全然良いと思います。

 

5. 日本人は選考で有利?

えー、別に日本人だからといって選考が有利に進む訳ではないと思います。笑 ただ、Schwarzman Scholarsにはソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏から多額の寄付が入っているのにもかかわらず、日本人学生が全然いないという現状があります。別にだからといって日本人枠はないと思いますが、中国関係のプログラムとしては重要な隣国である日本の学生も必要にしていると思います。例えば、欧米の国が中国外交や中国ビジネスをするとき、そのような国は中国だけではなく、日本と協力したり、交渉したりすることもあるでしょう。そのため、対中国〜をするにあたっては、中国だけではなく日本とのネットワークも重要なんだと思います。これはつまり、日本が対中国〜をするにあたって、世界とのネットワークも重要だということを意味します。したがって、このようなプログラムに日本人学生も食い込んで頑張るのは非常に重要だと思います。

現状、Schwarzman Scholarsに日本人学生が少ない理由は三つあると思います。

一つ目は、そもそも文系の修士や中国あるいは中国への進学に興味のある人が少ない

二つ目は、そもそもこのようなプログラムが日本人にあまり知られておらず、応募者が少ない

三つ目は、応募したとしてもプログラムの超高い選考基準を満たせない

一つ目の理由は日本人に特に特徴的で、なかなか変わらないかもしれません。一方で、三つ目の理由については、ただただ切磋琢磨するしかないと思いますが、二つ目の理由については、プログラムが知られていないだけなので、もっと色々な日本人に知られれば挑戦する人も少しは増えるかなと思います。確かに選考は厳しいですが、挑戦しないと何も始まらないし、挑戦しても何も失うものはないので、是非応募してみると良いと思います!

 

6. 最後に

この厳しい書類選考を通過して、セミファイナリストとして面接に進めるとなると、全ての資金をSchwarzman Scholarsに負担してもらって北京かシンガポールバンコクかロンドンかニューヨークに招待してもらうことができます。そこで、世界中の様々な分野の「すごい人」(CEO、国家元首経験者、大学理事長、非営利団体役員、ジャーナリスト、その他の指導者)と、直接面接を受けることになります。色々とすごすぎますね。笑

でも、中国やアジア、世界に興味のある人にとっては本当に最高のプログラムだと思うので、ぜひ書類選考の先の面接や、その先のSchwarzman Scholarsとしての生活、将来の挑戦とキャリアを目指して、頑張ってください!

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北京の夜景

 

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