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【留学経験記】北京大学Yenching Academyでの一年目の経験:第9期生 楢本珠貴

北京大学Yenching Academy第9期生 楢本珠貴さん(右から4人目)

中国と世界について英語で学ぶことができる全額奨学金修士プログラム:北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy: イェンチン・アカデミー)。中国に興味があったり中国で勉強したい海外の人の間では結構有名で実際に応募もいっぱいある一方、日本ではまだまだ知名度が低いです。そこで、Yenching Academyでは実際にどのような経験ができるのかについて、プログラムの現役日本人学生(第9期生)である楢本珠貴さんに実際の経験記をまとめてもらいました。プログラムに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください!

 

(以下の文章はYenching Academy第9期生の楢本珠貴さんが書いたものです)

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自己紹介

こんにちは!Yenching Academy 9期生の楢本珠貴と申します。YCAでは政治・国際関係の専攻です。私は高校まで日本で通い、高校卒業後に日本国内の大学に1年間在籍していましたが、一年次終了後に退学をし、オランダのライデン大学へ留学しました。ライデン大学では東アジア地域研究を専攻して学士号を取得しました。東アジア地域研究の中でも、特に日中関係について興味を持ち、第二外国語として中国語も勉強しました。また、毎年夏に開催されている日中学生会議に参加するなどしました。

学部在学中に中国への交換留学の機会を得るも、コロナウイルスの影響で留学は中止になってしまい、ずっと中国で国際関係を勉強してみたいという気持ちを抱いていました。しかし、自らの中国語力には自信がなく、英語で授業を受けることができるプログラムを探していました。そんな時にYCAについて知り、自分にぴったりだと思い応募しました。

 

Yenching Academyでの経験(1年目)

2023年秋学期

選択授業

  • Theory and Practice of Chinese Foreign Policy(2単位)
    • 中国の外務省にあたる外交部と交流のある教授が、中国の外交政策がどのような考えに基づいて作られているのか、どのようなアクターが外交政策に影響を与えるのか等について授業を行います。教授はとてもリベラルでオープンマインドな方で、中国で政治的に繊細な問題についても正直に話してくれます。学生との交流が非常に好きな教授で、授業中には学生からの質問に回答したり、学生と議論を交わしたりする様子が頻繁にあります。
  • Cultural Dimensions of Chinese Foreign Relations(2単位)
    • 中国と他の国の国際関係に文化的な面からアプローチするという授業です。教授はとてもフレンドリーな方で、学生との距離が近く、授業は和やかな明るい雰囲気です。国際関係を学んだことのない人にとっても受講しやすい授業である一方で、国際関係を専門としている私にとっては物足りなく感じる部分もありました。
  • Chinese Cultural Heritage Studies(2単位)
    • 中国の文化遺産についての授業で、複数の教授によって持ち回りで授業が行われる形式です。この授業は多くのフィールドトリップがあり、2泊3日で山西省の大同に行き、雲崗石窟遺跡などを見学しました。半日のフィールドトリップでは、北京市内の博物館や円明園に行きました。考古学が専門の教授の解説を聞きながら文化遺産を訪れることができるのが魅力の授業です。
  • フィールドトリップ:山西省大同

雲崗石窟遺跡

仏塔の前でクラスの集合写真
  • Critical Conceptions of Chinese Thoughts(2単位)
    • 中国独特の伝統的な思想について、中国の古典を引用しながら哲学の教授が解説してくれます。中国の伝統的な思想は現代を生きる中国人のマインドセットにも大きな影響を与えているため、中国伝統思想を学ぶことで現代の中国社会への深い理解を促してくれます。教授はとても優しい方で、中国哲学を学んだことがない人にとっても受講しやすい授業です。

天気が良く、外で授業をした時の様子

必修授業

  • China in Transition 1(3単位)
  • Topics in China Studies Lecture Series(通年で2単位)
  • Chinese 1(2単位)
  • Field Study(3単位)

 

2024年春学期

選択授業

  • Prospect and Retrospect of Chinese International Cooperation(3単位)
    • 国連での勤務経験を持つ教授が、中国政府の国際開発協力への関わり方について議論します。アカデミックな内容と教授の国連時代のリアルな経験談の両方を聞くことができる授業です。国際協力のキャリアを歩んでいるYCA卒業生が授業に参加してくださり、実際の業務やキャリアパスについて学生から質問することができました。また、アジア開発銀行(ADB)の北京オフィスへのフィールドワークも行い、オフィスで働く方々に直接お話を伺うことができました。
  • Understanding Social Inequality(2単位)
    • 中国社会における不平等(性別、教育、民族など)について学ぶ授業です。毎回の授業の前半は学生による該当の週のリーディングについてのプレゼンテーション、後半は教授のレクチャーというような構成でした。教授は比較的若く、授業はかなりカジュアルな雰囲気で、教授と学生の間の議論が活発だった印象。
  • Chinese Politics and Diplomacy(3単位)
    • この授業は北京大学の国際学院(School of International Studies)のもので、YCAではない北京大学に留学に来ている学生たちと一緒に受講しました。教授は中国の外交部での勤務経験がある若い方で、そのコネクションを活かして中国の元外交官やジャーナリストなどをゲストスピーカーに招いて授業が行われました。しかし、元外交官の方々は話せることがかなり限られている印象で、学生の質問に対して曖昧な返答をして論点を変えるような場面も見られました。授業では中国側の目線が強く取り入れられており、興味深い内容でした。

必修授業

  • China in Transition 2(3単位)
  • Topics in China Studies Lecture Series(通年で2単位)
  • Chinese 2(2単位)

 その他(課外活動・学校行事・生活・個人活動など)

  • 北京大学Bai Xian Scholarsのフィールドトリップ(2024年1月)
    • 北京大学のBai Xian Scholars(※百賢アジア研究院(Bai Xian Asia Institute)から奨学金をもらっている奨学生)のための吉林省長春への3日間のフィールドトリップに参加しました。長春満洲国の首都であったこともあり、日本人として歴史的に学ぶことが多くありました。また、極寒である冬の中国東北に足を運び、マイナス20度の中で氷祭りを楽しんだのは良い思い出です。

雪祭りで雪壁にはまった
  • Young Ambassador’s Programに参加(2024年2月〜3月)
    • 日中韓三国協力事務局主催、中国の広西省南寧市にある広西大学で日中韓ASEANの学生が集まる2週間のプログラムに参加。日中韓ASEANの東アジアの東南アジアの地域協力についてグループで議論し、政策提案のプレゼンテーションを行いました。2週間を通して参加学生同士の仲が深まり、大切な友人ができたことも思い出の一つです。

参加者全体の集合写真

  • Bai Xian Project Award(2024年3月〜)
    • 私は百賢アジア研究院(Bai Xian Asia Institute)から奨学金をもらっているBai Xian Scholarの1人です。Bai Xian Scholarの特徴として、YCA外でも豊富な機会を享受できます。その一環としてBai Xian Scholar主導のプロジェクトが対象の選考にYCAのクラスメイトと研究グループを作り参加し、選考を勝ち抜き$4,000の研究資金をいただきました。研究資金を使ってフィールドトリップに赴き、インタビューを行い、授業外での研究経験を積むことができました。
    • ※Yenching Academyは百賢アジア研究院が支援するパートナー大学のひとつなので、Yenching Scholarの一部は同時にBai Xian Scholarにも選ばれています。
  • BXAIサマープログラム(2024年8月)
    • Bai Xian Asia Instituteは全ての奨学生を対象に毎年夏にSummer Campを開催しており、上海交通大学がホスト大学を務めた2023年度の開催地は上海となりました。日中韓を中心としたアジアの優秀な学生たちと2週間にわたって様々な活動に参加しました。

グループメンバーと

 

YCA一年目の振り返り

YCAの一年目は、新たな人との出会いで溢れていたと感じます。YCAでの出会いはもちろんですが、Bai Xian Scholarとして、Young Ambassador’s Programの参加者として、YCAのみならず北京大学内やアジア各国の学生と交流できたことは非常に貴重な機会でした。また、学期中は授業とフィールドトリップに時間を費やすことが多かったですが、長期休みや学期中の大型連休には友人と共に中国国内やアジア諸国への旅行も楽しむことができました。YCAの一年目は素敵な人たちとの出会いに溢れた、忙しいながらも充実した時間でした!

 

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<参考記事>

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

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【留学経験記】北京大学Yenching Academyでの経験:第9期生 友永越香

北京大学Yenching Academy第9期生 友永越香さん(右端の赤いジャケット)

中国と世界について英語で学ぶことができる全額奨学金修士プログラム:北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy: イェンチン・アカデミー)。中国に興味があったり中国で勉強したい海外の人の間では結構有名で実際に応募もいっぱいある一方、日本ではまだまだ知名度が低いです。そこで、Yenching Academyでは実際にどのような経験ができるのかについて、プログラムの現役日本人学生(第9期生)である友永越香さんに実際の経験記をまとめてもらいました。プログラムに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください!

 

(以下の文章はYenching Academy第9期生の友永越香さんが書いたものです)

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応募しようと思ったきっかけ

中国と日本双方にバックグラウンドがあるため、私は幼いころから中国に対して親しみがあり、いつか中国語をマスターしたいという願望がありました。日本での家庭言語は日本語であったため元々中国語も英語も話すことはできなかったのですが、15歳の頃にアメリカ・カリフォルニア州に引っ越し(※親の転勤のため)、ベイエリアの現地高校に転校したタイミングで本格的に英語と中国語を学び始めました。その後、アメリカの学部時代でも国際ビジネスの専攻を選び、中国語勉強を続け、次第に中国への関心が言語・文化を超えて社会・経済・政治・ビジネスなどにも広がりました。アメリカの私の大学(小さなリベラルアーツスクール)で中国を学ぶにはやはり距離や偏見の壁を感じ(クラスで私のみ中国に行った経験があり、クラスメートはみなメディアの報道のみの情報で討論をしている等)、実際に中国で社会を見たい、生活を経験したい、という気持ちが強くありました。学部生としての交換留学の機会をうかがっていたのですが、コロナのため実現することができず、ロックダウン中に(当時大学2年生)中国での大学院進学に興味を持ち始めて、Yenching Academyの存在をKazukiさん(※YCAの卒業生兼このブログの運営者)のSNSとこちらのブログより発見し、その後大学4年生で応募しました。

 

経歴

友永越香(TOMONAGA Etsuka)

  • 2023年秋 北京大学Yenching Academy入学(中国学―経済・管理学―2025夏卒業予定)
  • 2023年夏 清華大学のIUP China Center にてオンラインで2か月の短期語学留学(学部時代に大学からもらった奨学金で行く予定だったが、コロナで卒業前に行けなかったプログラム)
  • 2023年春 University of Redlands卒業(専攻:国際ビジネス・アジア研究学 副専攻:社会学・人類学)
  • 2022年秋 1学期以上の海外留学が必修であり、中国に行けないのでオーストラリアUniversity of Wollongongにて1学期交換留学
  • 2019年秋 アメリカ学部時代 University of Redlands入学
  • 2019夏 北京大学 对外汉语学院にて4週間の短期語学留学
  • 2017-2019 アメリカ・カリフォルニア州 ベイエリアの現地高校卒業
  • ~2016 日本・東京にて普通の高校生 
 

1年目の経験

1年目は基本的に授業、課外活動、YCAが行うイベント、フィールドトリップなど、刺激的で楽しい反面、とても忙しく感じる日々でした。授業数も少なくなく、忙しい中インターンシップを並行して行っている強者もいました(少数)が、個人的にはYCAで精一杯でした。

取る授業の内容によって、YCAでの経験は大きく分かれます。授業によっては、フィールドトリップとして北京にある大手企業見学をしたり、北京から飛び出して歴史的建造物・地域の生活などを先生の詳しい説明を聞きながら見て回ったりすることもできます。私は個人的に、北京以外の色々な中国を見てみたいという願望もあり、こういったことも考慮して授業を選択しました。また、私は全てYCAのクラスを取りましたが、interdisciplinary program と呼ぶだけあって、YCAで取れるクラスは事前に専門知識を特に求めないものが多いです。しかし、YCAの生徒として北京大学の他の学院のクラスも取ることが可能なので、より自分の専門に特化したクラスを取ることも可能です。(その場合、授業言語が英語とは限らないので注意が必要です。)

後ほど、また詳しく記述したいと思いますが、YGS(Yenching Global Symposium)という毎年春に開催されるYCAの学生主体の中国に関するカンファレンスの運営組織に入り、カンファレンスの企画・実行等に携わったため、特に11月ごろから4月頭のカンファレンス実施までたくさん時間を割きました。

 

〇クラスについて 

※細かい各クラスの説明等は所々省略させていただきます

必修科目(通年・16単位)

  • China in Transition I & II(秋3+春3単位)
    • 秋学期:基本的に講義+グループに分かれて毎トピックについて議論する。
    • 春学期:少数のグループに分かれて、興味のあるトピックについて自由にリサーチをする。(グループごとに研修旅行に行くことを推奨)
  • Field Study (3単位)
    • 11月に四川・重慶に1週間行きました。
  • Topics in China Studies Lectures Series(2単位)
  • Academic Writing (1単位)
  • Chinese Language Course(秋2+春2単位)
    • HSK6級で210点以上(Writing 65点以上)取得で免除可能、その場合は選択科目にて4単位分追加で履修が必要。

 

選択科目(15単位)

秋学期

  • Quantitative Reasoning (2単位)
    • R言語を使用して統計分析のやり方について。
  • China in the World Economy: Han Dynasty to Present (2単位)
    • タイトルの通り漢の時代から現代までの中国経済の発展を理論的に学ぶ。Frank Hawke 先生は中国が改革開放してから米国スタンフォード大学より中国に送られた最初の留学生グループの1人であり、それから40年以上中国でビジネスを行ってきた経験があり、授業中に様々な面白いストーリーや彼の意見が展開される。
  • Rural China Studies(2単位)
    • 授業言語は中国語だが、課題は英語でも可。中国は大規模な農民社会であり、その仕組みを思想のレベルから教授が説明する。完全に中国語というのもあるが、中国人の学生でも最近の生活は農民式とはとても異なるため、内容が分かりにくいという意見が多かった。フィールドトリップあり。
  • Development of Chinese Civilization (3単位)
    • 毎週違うトピックの中国の歴史に関する本を読み、それについて議論する。トピック例:仏教、朱子学道教、乾隆(清の皇帝)、など。フィールドトリップあり。

春学期

  • The Economic Thinking of Chinese Entrepreneurs
    • 授業タイトルとは異なり、あまりスタートアップについての議論はなく、中国経済の現状の特徴、トレンドについての授業であった。フィールドトリップとして企業訪問を3つ行った。
  • Retrospect and Prospect of International Development Cooperation in China
    • 国連での勤務経験を持つ教授による、国際機関で働くということはどんなことなのかについてフォーカスを置いた授業。フィールドトリップあり。
  • Chinese Population
    • 中国の人口に関する問題について議論するクラス。

 

〇参加したフィールドトリップ一覧(時系列順)

  • 北京市辛庄村(Chinese Rural Studies)―11月頭・日帰り

    • 北京近郊の農村(辛庄村)を訪問し、現代中国の農村の実態・村開発の取り組みについて現地の方からお話を伺いました。

    • 北京近郊の農村ということもあって、中国農村の平均的な状態を代表する村ではなかったと思いますが、中国版のインスタグラムRED(小红书)で写真映えするようなスポットを村全体で作り、観光客を呼びこむ取り組みを行っている実態を見学させていただきました。

村の地図

村で栽培されているイチゴ畑

おしゃれなアートギャラリー空間

 

  • 四川・重慶―11月中旬・6泊7日
    • 秋学期にプログラムの学生全員が参加して行ったフィールドトリップ。レクチャー、歴史的遺跡や博物館訪問、企業視察など盛り沢山な1週間。
    • 訪問先一覧:
      • 重慶抗日戦争遺跡博物館:日中戦争中に日本軍が当時中華民国の臨時首都であった重慶に対して実施した大規模な空襲に関する博物館。博物館は実際に蒋介石中華民国政府の臨時本部として南京から移った際に使用していた建物。
      • 合川釣魚城:宋の時代にモンゴル軍と長年対峙していた場所の遺跡。
      • 都江堰パンダセンター:パンダがたくさん。(レッサーパンダも!)

      • 都江堰(秦王朝時代の水利・灌漑施設)
      • 三星堆博物館(長江文明に属する古代中国の遺跡の一つ)
      • 白鹿村:1860年にフランスより伝道者が訪れ、キリスト教修道院を設立したという歴史背景があることから、フランスとのゆかりがある村。現在は、ヨーロッパ風の建築物にて音楽フェスティバルを開催したりなど、音楽を通じて村の魅力をアピールしている。四川大地震の際に被災した地域でもあり、被災後の学校がそのまま残された記念所もある。

山奥の村にひっそりたたずむ西洋式の建物

Yenching Academyのために歓迎ムード

四川大地震の際に被災した学校の跡

自由時間に行った成都市の人民広場にある鶴鳴茶社

 

  • 福健・泉州(Development of Chinese Civilization)―12月初め・2泊3日
    • 泉州は特に宋と元の時代に東アジアと東南アジアとの貿易都市として栄えたとてもユニークな都市で、歴史的に外国の影響が強く残っていることで知られている。また、色々な信仰が共存していた都市でもあり、イスラムのモスクや媽祖(まそ)が祀られている寺院など、地域特有の宗教信仰を見て回った。2021年に世界文化遺産として登録されている。

関羽が祀られている関帝廟

イスラム教のモスク跡 清浄寺

媽祖(まそ)が祀られている天后宮

九日山―大きな岩壁に様々な詩、文章が彫刻されている

 

  • 上海(China in Transition II)―4月中旬・約1週間
    • 春学期の必修科目の一つChina in Transition IIでは、自分たちでトピックごとに少人数でグループを組み、フィールドワーク推奨の研究を行う。予算と期間を与えられ、その中であれば自由に行うことができる。
    • 私たちのグループは、中国の教育+AIに注目し、中国のAI教育分野で最先端のスタートアップ、Squirrel AIという会社の上海HQに訪問し、インタビューを行う予定だったのですが、予定の都合で訪問できなかったため、代わりに上海でこの製品を使用した自習室を運営するオーナーと先生に話を聞きに行きました。

  • Asian Development Bank 訪問 (Retrospect and Prospect of International Development Cooperation in China) ―5月中・日帰り
  • 企業訪問(The Economic Thinking of Chinese Entrepreneurs)―全3回・日帰り
    • 百度Baidu Apolloパーク(無人タクシー体験)
    • 楽普医療(Lepu Medical)
    • 京東 (JD.com)

 

〇その他(課外活動・中国での生活・旅行など)

  • YGS (Yenching Global Symposium)

    • YGSとはYenching Global Symposiumの略で毎年、YCAの生徒以外にも世界中から100名ほどの選抜された代表者(学生や若手社会人など)と共に3日から4日にわたり中国に関する様々な議論を行うカンファレンスで、YCAの活動の中で一番規模が大きいイベントです。学生主体で行うので、上の写真の約20名弱で企画から実行まですべて担当しました。2024年度のYGSのテーマは「Equilibrium:Our World in Balance」で科学+文化、文化+自然、自然+テックといった分野で著名なスピーカーを招待し、それぞれの分野で中国に関連した議論を繰り広げました。
    • 私はDirector of Social Programming として中国人のパートナーとの2人で講義イベント以外のソーシャルイベント全体を担当し、企画・手配・実行などを11月から4月にかけての6か月間かけて準備しました。主に企画したイベントは、中国文化体験(計8種類)、崑曲パフォーマンス、YCA卒業生を招いたネットワーキングイベント、北京首鋼パーク訪問などです。

首鋼パーク訪問の様子
    • 中国の教育機関としてイベントを実施するため、中国組織の意思決定のプロセスにも直接携わることができたのはとても貴重な経験だと思います。以前にこういった大規模なカンファレンスを企画・実施した経験はなかったので困難な点はたくさんありましたし、なによりも授業や他のYCAの活動などと両立するのが忙しかったですが、この活動を通じて色々な人と繋がることもでき、とても充実した思い出です。
    • 参加者の半分はYCAの生徒ではないので、外部参加者の選抜も担当し、冬休み期間にその選考が行われたので、冬休み中も旅行先で大量の志願理由書を読むなど、たくさんの時間を費やしました。実際にカンファレンスで会ったYCAの生徒ではない参加者たちはそれぞれ面白い経歴を持ち合わせており、こういった中国で開催されるイベントで直接会って繋がれるのはとても意義のあることだと思いました。やはり一番印象に残っているのは、YCAの生徒も含めた参加者の皆が自分たちの企画したイベントを楽しんでくれて、「ソーシャルイベントとっても楽しかった!」と直接感謝してくれたことです。やりがいを感じますね!
    • YCAの生徒でなくても学士卒業以上の20代であれば、参加資格がありますので、興味がある方はぜひYGSのHPをチェックしてください! 
  • 1年目の個人的な旅行先
    • 私のYCAでの目標の一つはできるだけ多くの地域に行くことだったので、旅行も可能な範囲で積極的に行きました。YCAの生徒は旅行が好きな人が特に多い印象で、行った国内旅行の数で比べると私はこれでも平均か平均以下くらいだと思います。
    • 天津市
      • 10月の国慶節休みにYCAの友達と日帰りで行きました。天津は北京から高速列車「高鉄」で30分強くらいととても近く、手軽に行くことができます。北京とはまた違った雰囲気のある都市です。
    • 黒龍江省ハルビン市・吉林省長春
      • 1月上旬にYCAの友達とグループ旅行で、アイスフェスティバルに行き、氷点下20度という寒さを体験しました。厚手の手袋と雪用ブーツを履いていても手足の先がかじかんでくるので、カイロが必須です。
    • 遼寧省大連市
      • 5月にある祝日連休あたりに行き、日露戦争の激戦地として知られている旅順で日本軍が使用した牢屋などを見学しました。大連は海に面した都市なので、漁港に行くと、獲れたてのイカやウニをその場で焼いて食べたりもできました。

 

まとめ

1年目は授業とフィールドトリップとYGSでほぼ埋め尽くされた1年間だったと思います。YCAで一番魅力的だと思うのはやはり集まってくる「人」だと思います。それぞれバックグランドの違いがありながら、皆同じように中国に対して違う角度から好奇心・興味を持っているからYCAに来るわけであり、様々な討論が日常茶飯事です。また、空いている時間やフィールドトリップなどを利用して、北京以外の中国に足を運んでみるのもとても貴重な経験だと思います。2年目はまだ現在進行形ですので、また卒業後にでも更新することができたらいいなと思います。

 

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<参考記事>

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

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【完全ガイド2024】現役日本人学生が北京大学Yenching Academyへの応募を徹底解説します〜必要事項と対策〜

Yenching Scholarになるには...?

この記事に関するメモ:

この記事は北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy)に所属する現役の日本人学生が、2024年9月に、元々あった同様の記事の内容を全面的に見直して更新した最新版です。元々の記事の執筆者であるKazuki(Yenching Academyの卒業生&本ブログの運営者)が書いたわけではないのですが、このブログに記事を掲載させてもらっています。Yenching Academyに関する日本語の情報は全然ないですし、最新版の情報も載っているので、以下の内容はすごく参考になるかと思います!興味のある方はぜひチェックしてみてください!

※元々の記事(2018年版)↓

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

(本文はここから)

この記事では、中国で英語を用いて修士が取れる全額奨学金プログラム=北京大学燕京学堂(Yenching Academy=イェンチン・アカデミー)の応募についてまとめています。応募に必要な情報(資格要件や応募書類)や応募に関するアドバイスを書いてあるので、Yenching Academyへの応募を考えている人はぜひ参考にしてみてください。「4. 各応募書類作成に関するアドバイス」は海外の他の大学や院などに応募しようとしている人にも多少は参考になるかと思います。

*Yenching Academyに2025年9月に入学するための応募締切は2024年12月1日13:00(日本時間)です!!

 

★Yenching Academyがどのようなプログラムなのかについてはこちらを見てみてください:

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

北京大学Yenching Academyホームページ:

yenchingacademy.pku.edu.cn

 

★Yenching Scholarの実際の経験がどんなものか気になる人は次をどうぞ:

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

1. 応募に必要な資格

美しい北京に最高のプログラムで行くためには...

まず応募に際して、絶対に満たしていなければならない条件は以下の二つです。

  1. 学位(学部卒以上=専攻はなんでもいい) *まだ学部を卒業していなくても応募できるが、入学する年の8月31日までに学位を取得できる必要あり
  2. 英語能力(英語が母語でない場合はIELTSかTOEFL IBTかCambridgeかCEFRのスコアの提出が必須。最低でも、IELTS: 7.0点以上、TOEFL IBT: 100点以上、Cambridge: 180点以上、CEFR: C1以上、TEM4: "良好"かそれ以上のレベルをパス、CET6: Overall 600点以上などのスコアがないと応募できない)

*IELTSとTOEFL、Cambridgeのスコアに関しては、Yenching Academyにスコアが直接送付されるものしか受け付けられないので、試験を申し込む際にスコアの送付先として"Yenching Academy of Peking Univesity"を指定しなければならない。TOEFLの場合、Institution codeはC488。

*英語で行われる学位プログラムを修了している場合はスコアの提出が免除される

上記の資格要件を満たした上で、以下の3つの「資格要件」も必要とされています。しかし、絶対に必要な上述の学位と英語能力とは異なり、以下の三つは資格要件というよりはただの応募に際して期待される能力です。

  1. 優秀な学業成績(Minimum GPA=足切りラインは設定されていない)
  2. 中国に関する学際的研究への強い興味関心
  3. 以下の項目を示す経験:特筆すべき課外活動、コミュニティへの貢献、社会的な活動、リーダーシップ・ポテンシャル

また、応募に際して年齢制限はありませんが、一般的には28歳より上の者を採用することは少ないとされています(*)。ただし、実際にはそれよりも上の入学者もいますし、28歳より上だからといって選考に通らないということは必ずしもありませんので、応募してみたいという気持ちがある方は年齢にかかわらず挑戦してみるとよいと思います。

*HPでは、年齢制限に関して“The Yenching Academy does not have a strict age cut-off for applicants, but in general, no person over the age of 28 has been admitted to the program. The average age of students entering the program is 23.” と公式に回答されています。上記のように実際には28歳以上の方も入学されているので、あくまで一つの目安と考えるとよいでしょう。
https://yenchingacademy.pku.edu.cn/ADMISSIONS/Frequently_Asked_Questions.htm

 

2. 応募に必要な書類

Yenching Academyのホームページに載っている応募書類は以下の通りです。これらの書類を英語で作成し、オンライン応募システムで提出することで応募が完了できます。

  1. Personal Statement (志望動機書: 750字以内)
  2. Statement of Research Interest (研究関心表明書: 1500単語以下)
  3. Curriculum Vitae (履歴書)
  4. Official transcript(s) (成績証明書: 原本が英語あるいは中国語でない場合は、原本のコピーと正式な英語への翻訳版を提出)
  5. Two letters of recommendation (推薦書: 2通)
  6. Diploma(s) or Certificate(s) of Enrollment (学位記あるいは在籍証明書: 原本が英語あるいは中国語でない場合は、原本のコピーと正式な英語への翻訳版を提出)
  7. International English proficiency test score (英語試験のスコア: 応募にはIELTS: 7.0点以上、TOEFL IBT: 100点以上、Cambridge: 180点以上、CEFR: C1、TEM4: "良好"かそれ以上のレベルをパス、CET6: Overall 600点以上が必要) *IELTSとTOEFL、Cambridgeのスコアに関しては、Yenching Academyにスコアが直接送付されるものしか受け付けられないので、試験を申し込む際にスコアの送付先として"Yenching Academy of Peking Univesity"を指定しなければならない。TOEFLの場合、Institution codeはC488。*英語で行われる学位プログラムを修了している場合はスコアの提出が免除される

これらの応募書類に加え、Yenching Academyのパートナー大学出身者(在学生と卒業生)は、Yenching Academyのウェブサイトで応募することに加え、出身大学で行われる学内選考にも応募することが求められています。今のところ、日本でYenching Academyのパートナー大学となっているのは、早稲田大学京都大学のみです。早稲田大学京都大学出身者で、それぞれの学内選考を通った人は、Yenching Academyへの応募に対して大学自体から推薦書がもらえます。例えば、早稲田大学の学生が早稲田の学内選考に通過した場合は、自ら用意する2通の推薦書に加えて早稲田大学がYenching Academyに対して直接推薦書を提出するという感じになります。したがって、学内選考通過者は結果として推薦書が3通になります。これは、Yenching Academyが奨学生の選考に際してパートナー大学からの推薦を考慮したいということでやっているようですが、学内選考の通過と出身大学からの推薦書は、その候補者がYenching Academyにも合格するということを意味するものではありません(もちろん、ないよりはあったほうが良いとは思いますが)。実際、Yenching Academyには、パートナー大学以外からも非常に多くの多様な学生が集まっています。また、日本の場合を見ても、これまでに早稲田大学京都大学の学生だけではなく、パートナー大学ではない東京大学国際基督教大学慶應大学などの学生も合格しています。なので、出身大学からの推薦書は「あったらラッキー」くらいに考えておけば大丈夫だと思います。また、もしもパートナー大学の出身者が学内選考に通過しなかったとしても、他のほとんどの人と同じように普通にYenching Academyのオンライン応募システムで応募することができます。パートナー大学の概要とリストは、次のリンク先にあります: http://yenchingacademy.org/partners

それぞれの応募書類を作成するにあたり、ヒントになるかなーと思ったことは「4. 各応募書類作成に関するアドバイス」にまとめてあります。

 

3. 応募に際して期待あるいは要求される力

この項目は、ほぼわたしの予測ですが、Yenching Academyでは必ずしもみんながみんな指導者としてのグローバルリーダーになっていくことが求められている訳ではなく、むしろ中国と世界への理解を深めつつそれぞれに適した立場から政治、経済、社会、科学など様々な分野で大きく活躍するグローバルリーダーとなっていくことが期待されていると思います。そんなYenching Academyへの応募者に特に要求されることは、「1. 応募に必要な資格」でも書いたように、以下の五つだと思われます。この五つのうち、1つ目と2つ目の学士学位と英語能力は必須条件で、それ以外は期待される条件という形になります。5つまとめて、ホームページでは「資格要件: Qualifications」として挙げられています。

  1. 学位(学部卒以上=専攻はなんでもいい) *まだ学部を卒業していなくても応募できるが、入学する年の8月31日までに学位を取得できる必要
  2. 英語能力(英語が母語でない場合はIELTSかTOEFL IBTかCambridgeかCEFRのスコアの提出が必須。最低でも、IELTS: 7.0点以上、TOEFL IBT: 100点以上、Cambridge: 180点以上、CEFR: C1以上、TEM4: "良好"かそれ以上のレベルをパス、CET6: Overall 600点以上などのスコアがないと応募できない)
  3. 優秀な学業成績(Minimum GPA=足切りラインは設定されていない)
  4. 中国に関する学際的研究への強い興味関心
  5. 以下の項目を示す経験:特筆すべき課外活動、コミュニティへの貢献、社会的な活動、リーダーシップ・ポテンシャル

まず、大学時代の学業成績(GPA)は確かに重視されています。応募に際してGPAの最低点が設定されておらず、どんな成績でも応募できますが、実際は「かなり良い大学のかなり良い成績」が期待されていると思います。応募者も多いので結果としてそうなっているのでしょうが、実際多くの奨学生は「かなり良い大学のかなり良い成績」を持っているように感じます。なので、応募を考えているのであれば、どんな授業でも良い成績を取れるように努力して良いGPAを獲得することが重要です。ただ、これはYenching Academyの良いところでもあると思いますが、世界的な有名大学の優秀な学業成績がなければYenching Academyに入ることができないということはありません。実際、奨学生の中には成績が良くない人(例えばGPA3.0以下) やいわゆる有名大学の出身ではない人もいます。

また、Yenching Academyは世界と中国をつなげるとともに中国の多様な側面を学んでもらうことを目的とした中国学(China Studies)の修士プログラムであることから、「中国に関する学際的研究への強い興味関心」は、応募者に要求される非常に重要な要素です。実際、政治や経済、社会などどんな分野を学ぶとしても、Yenching Academyで学ぶことは全て中国に関連している必要があります。そのため、どんなに素晴らしい応募者でも中国に関する興味関心がないのであれば、このプログラムには合わないでしょう。

そして、「特筆すべき課外活動/経験や達成したこと」と「リーダーシップ・ポテンシャル」はYenching Academyのような非常に競争的な全額奨学金プログラムに入るためにはとても重要な要素でしょう。というのも、このようなプログラムには世界中から非常に優秀で多様な応募者からの応募が多く集まるため、それぞれの応募者は「優秀な学業成績」と「中国への興味関心」に加えて、他の要素で自分を他の応募者から差別化する必要があるためです。応募者は、「特筆すべき課外活動/経験や達成したこと」や「リーダーシップ・ポテンシャル」をアピールすることで、学業にはとどまらない「優秀さ」を示すことができるでしょう。逆に言うと、「特筆すべき課外活動/経験や達成したこと」や「リーダーシップ・ポテンシャル」がない、あるいは効果的に伝えられないとYenching Academyに入ることは難しいかもしれません。そのため、もし応募を考えていて本気でYenching Scholarになりたいなら、戦略的にでも何か良い課外活動やリーダーシップ経験になることに挑戦した方がいいと思います。もしYenching Scholarにならないとしても、そのような経験はとても貴重で有意義なものになると思います。

まとめると、Yenching Academyのようなプログラムに合格するには、上で挙げた事柄とその他のいくつかの事柄が重要だと思います。ただ、重要な事柄は必ずしも以下に限られないし、またこの内のいくつかを欠いていても合格することはもちろん有り得ます。

  1. 優秀な学業成績
  2. 中国に関する学際的研究への強い興味関心
  3. ユニークかつ/または特筆すべき課外活動や経験、達成したこと
  4. リーダーシップ経験と能力
  5. 中国に多少なりとも関連した将来の目標や野望
  6. 応募書類を説得力と魅力のある良いものに仕上げる力
  7. 多様な人とのネットワーク
  8. 高いコミュニケーション能力
  9. 高い学力/知力
  10. 高い英語能力
  11. あなたを選びたいと思わせる何か(情熱、根性、運、魅力、タイミング、相性、将来性、「  」など)

ちなみに、中国でやるとはいえ英語のプログラムなので、中国語の能力はあれば気持ちプラスという程度で実際はほぼ関係ないと思います。

 

4. 各応募書類作成に関するアドバイス

各応募書類を作成するにあたり、ヒントになりそうかなーと思うことを挙げておきます。ただ、成績証明書と学位記あるいは在籍証明書、英語試験のスコアについては、書類作成に関するアドバイスがないのでここでは省略しています。

 

  1. Personal Statement (志望動機書: 750字以内)

志望動機で特に重要なのは、「なぜYenching Academyがあなたの目指すものと重なっているのか」(Why is your goal in line with the Yenching Academy?) ということをわかりやすく説明して、選考者たちに「あなたの目標のためにはYenching Academyが必要だ」と信じこませることでしょう。このポイントが抜けていたり、あなたの目標がプログラムと重なっていないのであれば、合格することは極めて難しいでしょう。なので、どんなにめちゃくちゃ優秀な人でも、プログラムと関連性が全然なければ合格するのは難しいでしょう。なぜ「あなたの目標のためにはYenching Academyが必要だ」と信じこませることがそんなに重要なのかというと、結局このようなプログラムには多くの非常に優秀な人たちが応募します。そして、みんな「このプログラムに行きたい」と言います。だからこそ、ただ自分は行きたいという希望を伝えるだけではなく、じゃあ実際になんで自分がそこに行く必要があるのかということを説得する必要があります。また、Personal Statementを書くときは、ただ単に志望動機を書くのではなく、個人的な経歴をうまく使って志望動機にストーリー性を持たせると良いと思います。750字まで書くことができるので、過去・現在・未来についてわかりやすく大事なポイントを記述しつつ志望動機を仕上げることが重要でしょう。

 

  1. Statement of Research Interest (研究関心表明書: 最長1500単語)

本書類は、2021年度向けの選考から新たに始まった評価項目で、それ以前には、このような応募書類はありませんでした。近年になってやっと対策方法や重視されるポイントなどについて知見が溜まってきました。

まず、本書類はあくまでStatement of Research Interest、つまり研究計画書や提案書ではなく、あくまで「研究関心」の表明です。そのため、どのようなことを研究してみたいかということをはっきり表明することが第一の目的となります。一方、Personal StatementのポイントはIntroduction of yourself。つまり、これとStatement of Research Interestの双方を使って、応募者はPersonal Statementで自分自身(Life story)について説明する一方、自分の学術的な側面について説明することができます。Statement of Research Interestが近年追加されたのは、YCAが応募者の学術的な部分をより重視するようになった証左でもあります。具体的には、応募者が学術的関心をまず有しているか(言い換えればYCAに来てまじめに勉強・研究する気があるのか)、加えて一定程度の能力を有しているのか(=関連の知識があるか、思考・議論ができるか等)、研究分野がYCAに適しているのか等、このような点を探りたいのだと思われます。

自分のPersonalな部分とAcademicな部分を、Personal StatementとStatement of Research Interestで説明できるようになった今、その二つにしっかりとした相乗効果と関連性を持たせることが重要でしょう。つまり、Personal Statementで「あなたはどんな人物で、何をしてきて、今はどこにいて、これから(YCAの先に)何を達成していきたい」を伝えると同時に、Statement of Research Interestでは「(Personal Statementに書いた内容)だからこそ、どういった背景から、何を研究したい。そのためには、何などの方法で研究をしたいと考えている」のように、二つのつながりを意識して書くとより説得的・効果的でしょう。逆にいうと、Personal StatementとStatement of Research Interestに書いている内容の関連性が薄かったり齟齬があったりすると、よくわからない弱い応募書類になってしまうでしょう。

以下、上記背景およびこれまでの応募者の声を踏まえたうえで、研究関心表明書に書くべき・書くとよい内容を列挙してみました。

①興味のある学術分野・トピック、または関心を持つに至った背景

②自身の研究における問いの設定(興味分野・トピックに関連して具体的に何を研究したいか)

③取りうる方法論

④使う文献・データ

⑤使いたいYCAのリソース(教授、授業)

この中で、何よりも優先されるべきは①です。先述のように、本書類は研究関心の表明が主目的であるため、自身の関心をはっきり示すことが重要です。逆に言えば、それ以外の項目がたとえ少し曖昧でも、ここを明確に書いたほうがいいです。もちろん、研究の関心といっても書き方は様々です。研究の関心についてもまだ絞り切れていない応募者も多いかと思いますが、その場合は複数列挙する形でも構わないです。一方で、明確であればあるほどよいので、自身の研究関心について具体的に書くように心掛けるとよいかと思います。絞り込み方は分野によっても違いますが、哲学であれば研究したい思想流派もしくは時代、可能であれば具体的な思想家・哲学者、もしくは研究したいテーマ(倫理、政治、形而上学など)を具体的に書く、経済であればどの分野を研究したいか(マクロ、ミクロ、ビジネスなど)、関心がある産業セクターや事象などの観点から絞り込むことができるかと思います。また、自分がそのテーマに関心をもったきっかけもあれば、書くとよいと思います。特に、Personal Statementを補強できる内容もしくはそこでは書けなかったアピールポイントがあれば、それを書くこともアピールにつながると思います。

②に関しては、①よりはやや優先順位が落ちるものの、自分の学術的な関心を示す上でも重要ですので、ぼんやりした形でも記入するとよいと思います。論文におけるリサーチ・クエスチョンのような形で書くのが最も理想的ですが、そうでない場合は自分自身が気になることを質問にして、列挙する形でもよいと思います。

③は、難易度が高いことに加え、①と②と比べたら優先順位が下がります。その一方で、自分自身に学術的な関心や情熱があることを示す上で、ぼんやりした形でもよいので、書いておくとよいかと思います。具体的には、定量的な手法か定性的な手法か、定量的な手法を用いる場合は具体的にどのようにデータを入手して、分析を進めるか、定性的な方法であれば何を分析対象とするか(インタビュー結果か文献か)、どのように分析を進めるか(テキストマイニング、文献読解など)、などが書く内容として想定されます。

④は①から③が明確であれば自然と書ける部分だと思います。ここも確定している必要はないですが、可能な限り書いてみるのが重要だと思います。特に、定性的な研究(例:思想の分析)であればどういった文献を対象にしたいか、定量的な研究であればどういったデータが必要か、それが既存のデータか新規獲得が必要なデータかといった視点が重要かと思います。また、自分の学術的な関心を刺激した文献や、研究したいテーマや研究手法を考えるに当たって参考にした文献を取り上げるのもよいかと思います。

⑤はYCAに自分自身をアピールするうえで、実は重要な部分です。YCAは、2年目に論文のアドバイザーをYCAに名前を連ねていない教授にもお願いできること、そしてYCA外でも比較的自由に授業をとれることもあり、研究テーマはかなり自由です。そのため、実際には、必ずしも自分の研究の方向がYCAの教授陣や授業と一致している必要はありません。しかし、それでも自分にとってYCAが必要だというメッセージを出すことは、自分のアピールになると思います。それは、学術的な部分でも例外ではありません。そのため、自分の学術的な関心を追求する上で、YCAがどのように自分に役に立つのか、例えば受けてみたい授業がある、研究のアドバイザーをお願いしたい教授がいる、といったことが書ければよいでしょう。

項目①から⑤すべてに言えることですが、書いた内容は何らかの拘束力を持つわけではないので、現時点で自分が興味を持っていること、やってみたいことを最大限に表現するとよいと思います。YCAに入る段階で関心のある分野や研究テーマがはっきり決まっている人は少ないですし、YCAに入ってからも変わる人がほとんどです。その中で、YCAが見極めたいのはあくまで学術的な関心・情熱を持っているかです。そのため、ぼんやりしてでもいいので自分が考えられる最大限の内容を書くとよいと思います。そういった意味で、①に最も重きを置いたうえで、②~⑤は書ける範囲で書くのが重要かと思います。もちろん、一般的な研究計画書のような研究の筋道がはっきり見えているものが書けているのに越したことはないですが、そうでなくても全く構わないです。また、1500単語まで許されているので、配分を工夫することも重要です。筆者は、①に半分以上を費やしたうえで、それ以外の要素は数文もしくは数行で説明していました。もちろん、正解はないですし、自分の学術的な関心・情熱が最も伝わるような形で書けばよいと思いますが、その際にどのようにYCAにそれをアピールできるかを念頭に入れながら書くとよいと思います。

 

  1. Curriculum Vitae (履歴書)

簡潔にわかりやすくまとめれば良いと思います。基本的には、2ページ以内にするのが良いと思います。CVは、応募要件のうち「特筆すべき課外活動、コミュニティへの貢献、社会的な活動、リーダーシップ・ポテンシャル」のアピールに使えると思いますので、考えられる内容は、

・課外活動(サークル、学生団体など):特に役職経験や受賞経験など(社会的な活動であればどのような貢献をしたかも書くとよいでしょう)

・学業:賞をもらった経験、著名な教授に指導いただいた経験、ゼミでの活動など

・仕事:バイトやインターンシップ(特に長期)で努力した経験・成果を残した経験、(もしあれば)社会人経験など

ここでも自分がどのような点をアピールしたいか、特にPersonal StatementやStatement of Research Interestとの関係で考える必要があります。たとえば、この二つに書いてあることを補強するような経験、もしくは両者で詳しく触れられなかったけど自分のアピールにつながりそうな経験を書くとよいでしょう。

また、YCAはリーダーシップを持つ人を重視する傾向がありますので、リーダーシップ経験を多めに入れておく、もしくは一つの独立した項目として入れておくのも良いかもしれません。ただし、必ずしもすべての人がリーダーシップを理由にとられたわけではないですし、実際の学生をみるとYCAは多様な人を入れるようにしていると感じます。いずれにせよ、自分が何をアピールできるか・したいかを意識した上で、CVも書くとよいでしょう。

 

  1. Two letters of recommendation (推薦書: 2通)

推薦書は、多様でより地位のある人からもらえる方が、そうじゃないよりかは良いと思いますが、必ずしも推薦者の身分では選考されないと思います。自分のことをよく知っている、あるいはちゃんと話せる知り合いなどの中から、中国にあるYenching Academyのプログラムへ推薦書を書いてもらうのに適している人にお願いするのが良いと思います。推薦書を全て集めるのは、推薦者の都合もありけっこう時間がかかるので、可能な限り早く準備を始めるようにした方が良いです。

また、推薦書は内容もとても重要だと思います。推薦者にただ「推薦書をお願いします」と投げただけでは、忙しいこともあり内容はあまり良くないものになってしまう可能性があります。そのため、可能であれば推薦書を書いてもらえるようお願いする際に、どのようなプログラムに応募していて、なおかつその推薦者には自分のどのような点を特に強調して示してほしいかを伝えておくと良いでしょう。それぞれの推薦者に自分の異なる強みや良い所を書いてもらうことで、自分というものをより深く多面的に示すことができ、より良い候補者となれるでしょう。例えば、Yenching Academyの場合は推薦書が二通必要なので、一通目は自分のこれまでの経験やすごさ/ユニークさについて、二通目は自分の中国に関する活動や目標、情熱などについて、などというようにうまく使い分けることで、推薦書を通してもより効果的に自分を売り込めるでしょう。

推薦書の長さ的には、短すぎず長すぎず500字程度がちょうど良いのではないでしょうか。

ちなみに、推薦書を出せる人は、現在では、"from associate professors or professors only"になったそうです。つまり、推薦書を書けるのは教授のみで、自分のとき(2018年)にできたような他の人(NGOや国際機関の代表、外交官など)は受け付けなくなったようです。そうなると、基本的には自分が親しいゼミか何かの教授と、それに加えて何かしらのつながりのある教授からもらうしかできなくなってしまいそうです。その場合、(著名な教授とつながりのある人を除いて)推薦書で他の応募者と差別化をするのはけっこう難しくなったような気がします。それならば、せめて質の高い推薦書を書いてもらえるようにした方がいいかもしれません。

 

5. ぜひ応募してください!

Yenching Academyは中国関係のプログラムとして重要な隣国である日本の学生も必要にしているにもかかわらず、これまでのところ日本人学生が必ずしも多くないという現状があります。だからといって、別に日本人の選考が有利に進む訳ではないと思います(笑)。 ただ、日本にとっても重要な隣国である中国で世界中の人々と学べるこのようなプログラムに日本人学生も食い込んで頑張るのは非常に重要だと思います。例えば、日本が中国外交や中国ビジネスをするとき、日本は中国だけではなく、他の国とも協力したり、交渉したりすることがあるでしょう。そのため、対中国〜をするにあたっては、中国だけではなく世界とのネットワークも重要だと思います。これはつまり、世界が対中国〜をするにあたっても、日本とのネットワークが重要だということを意味します。したがって、これまでのところYenching Academyに日本人学生が少ないというのは残念なことだと思います。

現状、Yenching Academyに日本人学生が少ない理由は主に三つあると思います。

一つ目は、そもそも文系の修士や中国あるいは中国への進学に興味のある人が少ない

二つ目は、そもそもこのようなプログラムが日本人にあまり知られておらず、応募者が少ない

三つ目は、応募したとしてもプログラムの厳しい選考を勝ち抜けない

一つ目の理由は日本人に特に特徴的で、なかなか変わらないかもしれません。一方で、三つ目の理由については、ただただ切磋琢磨するしかないと思いますが、二つ目の理由については、プログラムが知られていないだけなので、もっと色々な日本人に知られれば挑戦する人も少しは増えるかなと思います。確かに選考は厳しいですが、挑戦しないと何も始まらないし、挑戦しても何も失うものはないので、是非応募してみると良いと思います!

 

6. 最後に 

この厳しい書類選考を通過すると、セミファイナリストとして面接に進むことになります。面接は、北京にいる場合は直接北京で行い、北京にいない場合はスカイプで行う、という風になります。そこで、北京大学の教授などと英語で面接をすることになります。面接自体は20分程度ととても短いですが、様々な質問に答えなければなりません。

でも、中国やアジア、世界に興味のある人にとっては本当に最高のプログラムだと思うので、ぜひ書類選考の先の面接や、その先のYenching Scholarとしての生活、将来の挑戦とキャリアを目指して、頑張ってください!

北京の夜景




#中国 #留学 #大学院 #奨学金 #北京大学 #燕京学堂 #YenchingAcademy #SchwarzmanScholars

 

 

 

 

 

 

【最新版2024】北京大学燕京学堂(Yenching Academy)とは?現役日本人学生が徹底解説します

中国トップの全額奨学金修士プログラム 北京大学Yenching Academyとは

この記事に関するメモ:

この記事は北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy)に所属する現役の日本人学生が、2024年9月に、元々あった同様の記事の内容を全面的に見直して更新した最新版です。元々の記事の執筆者であるKazuki(Yenching Academyの卒業生&本ブログの運営者)が書いたわけではないのですが、このブログに記事を掲載させてもらっています。Yenching Academyに関する日本語の情報は全然ないですし、最新版の情報も載っているので、以下の内容はすごく参考になるかと思います!興味のある方はぜひチェックしてみてください!

※元々の記事(2018年版)↓

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

(本文はここから)

わたしが中国で所属している北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy: イェンチン・アカデミー)。以前紹介した清華大学大学院Schwarzman Scholars(シュワルツマン・スカラーズ)と同様に、Yenching Academyでもたった百数十人の枠に世界中から数千人の応募が殺到しています。まさに、北京大学Yenching Academyと清華大学Schwarzman Scholarsは中国で中国について英語で学ぶ修士プログラムとしてツートップをなしていると言えます。Yenching Academyは日本ではまだ全然知られていませんが、中国やアジアに興味があるのであれば、絶対に面白いプログラムなのですごくオススメです!そこで、日本語ではほぼ情報のないYenching Academyについてまとめます。

ちなみに、わたしはYenching Academyを単純にオススメしたくて「勝手に」書いているだけなので、学校から頼まれてやっているみたいなことは一切ありません。

 

1. Yenching Academyの概要

とても綺麗で広いYenching Academyと北京大学のキャンパス

Yenching Academy(イェンチン・アカデミー) とは、中国と世界への理解を深めた次世代のグローバルリーダーを養成するため、北京大学内に2014年に設立された全額奨学金修士プログラムです。基本的には英語で行われるプログラムですが、中国語ができる場合は中国語で行われる北京大学の授業を履修することもできます。

奨学生はプログラムが提供している学際的な領域から自らの関心に合った専攻を選びChina Studies(中国学)の修士号を修めます。専攻できる領域は以下の6つです:Politics and International Relations(政治学と国際関係学)、Philosophy and Religion(哲学と宗教学)、Literature and Culture(文学と文化学)、Law and Society(法律学社会学)、History and Archeology(歴史学と考古学)、Economics and Management(経済学と経営学)。例えば、Politics and International Relations(政治学と国際関係学)を専攻として選んだとすると、China Studies(中国学)の中でPolitics and International Relations(政治学と国際関係学)について学ぶということになります。イメージ的には中国の政治と国際関係を学ぶといった感じです。他の専攻についても同様です。

Yenching Academyは、表向きには「1年間の修士プログラム」として売り出していますが、厳密に言うと北京大学に実際に滞在しなければならない最短の期間が1年間という修士プログラム」です。つまり、1年間で卒業に必要な単位を全て取ることはできますが、プログラムの構造上、卒業に必要な修士学位審査(Thesis Defense)を1年目では受けることができないので、1年間で卒業することもできません。そのため、1年間で単位を取り終えた後は北京あるいは他の都市や国で何をしていても大丈夫ですが、それと同時に修士論文を書き終え、北京大学で直接あるいは自分のいる場所からスカイプ修士学位審査を受ける必要があります。最短で修士学位審査を受けることができるのが入学から1年半後なので、最短で修士号を取って卒業できるのも入学から1年半後となります。入学から1年半というのは「最短」なので、2年かけて卒業ということももちろんあります。そのため、「1年間の修士プログラム」という表現は非常に誤解を招きやすいものではあります。。。

Yenching Global Symposiumの様子

また、Yenching Academyの特徴としては、学際的な教育を重視していることがあります。これは、中国は非常に多様な側面で急速に変化しているため、中国をしっかりと理解するためには学際的な教育が重要だという認識があるようです。そのため、Yenching Scholar(イェンチン奨学生)は自分の専攻の授業だけではなく、自分の専攻とは関係なくても興味のある授業などを自由に履修することができます。また、Yenching Academyでは課外活動も充実しています。例えば、Yenching Academyは年に一度国際シンポジウム(Yenching Global Symposium)を開催し、世界中から多くの若い中国研究者/関係者などを招聘しているので、学外の様々な人と交流する機会にも恵まれています。また、1学期に1回の中国国内研修旅行や様々な季節行事などがあるので、奨学生は多様な側面から中国と世界について学ぶことができます。

このように、自分の認識では、Yenching Academyは、「中国を世界に理解してもらうためのプログラム=内から外」といったイメージです。実際、プログラムの資金も、中国政府や中華系の財団などによって内から外に(中国から世界に)出されることで運営されています。また、Yenching Academyでは主に北京大学などの中国の優秀な講師陣からより中国的なことが学べるので、「中国トップ大学の世界向け校」と考えてもいいかもしれません。一方で、参考までに書いておくと、Yenching Academyのライバルプログラムである清華大学Schwarzman Scholarsは、「世界が中国を理解するためのプログラム=外から内」といったイメージです。このプログラムは世界中の著名企業やビジネスマンなどの多額の寄付が外から内に(世界から中国に)投入されることで運営されています。あるいは、世界中の優秀な講師陣(アイビーリーグなど)を招いて非常に欧米的なプログラムをやっているようなので、「欧米の超トップ大学の中国校」とも言えるかもしれません。二つのプログラムのこのような違いは、それぞれの修士号にも表れています。Yenching AcademyはChina Studies修士号ですが、Schwarzman ScholarsはGlobal Affairs修士号です。

ただ、どちらも中国と世界、世界と中国をつないで、相互理解、繁栄、平和に貢献するという同様の理念を持っています。そのため、学生の国籍も「意図的に」非常に多様なものにしています(中国とアメリカだけはその影響力の大きさから学生数が比較的多いです)。具体的には、2018年に入学する114人のYenching Academyの第四期生は、41カ国・106大学の人々で構成されています。内訳としては、24%がアメリカ人、22%が中国人、54%がその他の国の人々といった感じです。基本的には、毎年このくらいの比率を保っているようです。

 

2. プログラムのメリット

Yenching Academyには特に以下のような様々なメリットがあります。

 

2.1 手厚い金銭的/物理的支援

海外で修士を取ろうと思うとまず問題になるのは、お金だと思います。アメリカやイギリスで自費で大学院に行くと年間500万~1000万円近くかかると言いますし、物価の安い中国でも修士を取るとなると数百万円は必要になります。ただ、Yenching Academyは全額奨学金プログラムとして、その学生にかなり包括的な金銭的/物理的支援をしてくれます。支援で受け取れるものは以下の通りです。

  1. 学費
  2. 自分の住む場所と北京の間の往復航空券
  3. 中国国内での研修旅行
  4. 健康保険
  5. 自由に使える生活費(月3000元)

これだけの支援があれば、お金の使い方によっては、本当に「自分では一銭も出さずに海外で修士が取れる」かもしれません!

また、学内選考に通れば、自らの研究のための旅費や、2年目の中国語の授業(外部・optional)の費用などを支援してもらうこともできます。さらに、Yenching Academyを支援する他の財団などからYenching Academyからもらう奨学金とは別に研究費などをもらえることも有り得ます。

 

2.2 中国で世界トップクラスの教育 

Yenching Academyがある北京大学は、中国国内では清華大学と1・2を争うとともに、アジア大学ランキングで1位、世界大学ランキングでは14位です(QS World University Rankings 2024)。ちなみに、中国の前首相である李克強氏も北京大学の出身です。その北京大学の中でも、Yenching Academyには非常に優秀な学生と講師陣が集まっています。中国の大学院の修士号は、どうしてもまだ国際的評価があまり高くないような印象がありますが、中国やアジアに関心のある人の間では有名なYenching Academyならそのような心配もいらないかもしれません。

 

2.3 世界中のあらゆるすごい人との友情+ネットワーク 

必ずしも勉強的に優秀な人やいわゆる欧米のトップ校出身者を「すごい人」だとは思いませんが、確かにYenching Academyのようなプログラムには単純に「すごいなー」と思わされるような人が多いと感じます。政治系・経済系・社会系・理科系など、様々な程度の様々なすごいがありますが、とにかくいろいろと「すごい」です。笑 そのような人たちと友達になることは、自分の何かしらの目標や活動にも良い刺激になると思うし、将来的には良いネットワークとしてお互いに助け合えるかもしれません。また、優秀な講師陣や豪華なゲストスピーカーなどとも良い関係が築けるかもしれません。さらに、Yenching Academyが開催する国際シンポジウム(Yenching Global Symposium)を通じて世界中の多くの中国研究者/関係者などと交流することもできます。あとは、卒業後にYenching Academyや北京大学の校友会の一員にもなれますね。

 

2.4 課外活動が充実 

ある物事を理解するためには、勉強だけではなく経験も重要だと思いますが、そういった意味ではYenching Academyは勉強と経験のバランスが非常に良く取れたプログラムだと思います。

例えば、Yenching Academyが年に一回開催している国際シンポジウム(Yenching Global Symposium)では、世界中の多くの中国研究者/関係者などと議論や交流をすることができます。また、一学期に一回は中国国内での研修旅行があり、北京以外の都市での様々な経験も通じて中国という国を観察し理解することができます。今のところ、毎年第一学期には西安に行っているようです。また、どの学期でも、授業によってはその一貫として内容に関連する場所に学生を連れて行ってくれることもあります。例えば、中国のベンチャーに関する授業で上海や深センに行くなんてこともあります。さらに、リーダーシップ養成講座のような内部/外部のプログラムを受講させてもらえることもあります。

 

2.5 履修する授業を柔軟に選べる 

学部でも修士でも、基本的に多くの学生は自分の専攻や所属に従って履修できる授業が多かれ少なかれ制限されると思いますが、Yenching Academyでは学際的な教育を重視しているため、履修する授業をかなり柔軟に選ぶことができます。まず、Yenching Academyは英語で行われる修士プログラムですが、中国語ができる奨学生はYenching Academy内の英語で行われる授業だけではなく、北京大学の様々な大学院の中国語で行われる授業も取ることができます。もちろん、英語で行われる北京大学の様々な大学院の授業も取ることができます。これらの場合に加え、Yenching Academy内でも、自分の専攻以外の授業も柔軟に履修することができます。例えば、私はPolitics and International Relations(政治学と国際関係学)の専攻ですが、経済方面の授業である中国の起業についての授業も履修しています。確かに、闇雲に様々な授業を取っていては、どれも一貫性のない広く浅い知識にとどまってしまいそうですが、自分がしっかりと目的を持って効果的に選択すれば、この授業履修の柔軟性はとても良いものでしょう。

 

2.6 柔軟に卒業までの予定を決め、最高2年まで奨学金をもらって中国に滞在できる

Yenching Academyは奨学生が柔軟に卒業までのスケジュールを決めることができます。1年目は北京大学内での滞在・学習が義務付けられていますが、それ以降は校外に住むことも、他の都市や国に住むこともできます。もちろん、北京大学内に住み続けることもできます。全体的に、2年目も北京大学校内に住む、もしくは中国の他のところに住む学生が大多数です。その際に、しっかりと1年目の学業をこなしているなどの点を満たしていれば、2年目の奨学金を申請して、2年目も奨学金をもらい続けて中国に滞在することができます。金銭的支援は基本的に1年目と同等です。この奨学金と在籍期間の柔軟性もYenching Academyに特徴的なメリットです。 

YCA2年目は授業履修の必要がないので、自分のペースでインターンシップや卒論執筆に取り組むことができます。卒論のトピックは自分の専攻に関するもので自由に選ぶことができます。ざっくりと過去の例を挙げると、卒論の内容も多岐にわたるのがわかると思います。

Economics and Management: 中国の改革・経済発展、SOEコーポレートガバナンス、中国の小中企業、改廃経済、デジタルマーケット、米国における中国M &A、BRIと貿易等

History and Archeology: 北京胡同の保存と商業化、宣教師たちの役割、初期仏教、旅順攻囲戦をめぐる日中米の報道、米中間の清朝時代の女性をテーマとした展示会の違い、中国におけるアヘンの価格と消費、乾隆帝チベット

Law and Society: 中国の政党と利益団体、中国における著作権、女性の権利、プライバシー法、独占禁止法、中国の国際法へのスタンス、ウイグル自治区における言語改革、戸籍問題、オンラインゲーム規制法、Eコマース等

Literature and Culture: 中国文学における鉄道にみる近代、中国の映画界、中国の近代芸術、Produce 101にみる中国アイドル、中国SF小説、インターネット文学、1937-41年の上海映画、魯迅と故郷等

Philosophy and Religion: 荀子の正名思想、中国の多文化主義孟子の経験主義的な心理学、王になるとは、中国におけるチャリティー活動のルーツ、孔子とAI等

Politics and International Relations:ブロックチェーンとカーボンマーケット、中国&イラン&サウジアラビアにとっての一帯一路、日韓慰安婦合意、中国新中産階級、中露の防衛協定、EUと中国、東アジアという思想、中国から見た北朝鮮の核問題、米中の移民政策の違い等

 

2.7 中国なのに2年以下で修士が取れる 

本来、中国で修士を取るには2年〜3年の時間が必要とされています。しかし、そのような中国にあっても、Yenching Academy なら最短1年間の滞在で修士を取ることができます(修士号自体の取得は最短1年半)

ちなみに、中国人の奨学生は絶対に2年間在籍しなければならないと決まっています。中国国内の他の中国人大学院生との兼ね合いで、他の国から来た奨学生とは履修要項が少し異なるためのようです。

 

2.8 中国や様々なトップ企業での仕事が見つけやすくなる

Yenching Academyを通じて、中国で修士を取れる点や、中国や様々なトップ企業に関連するネットワークが築ける点、一定程度中国語ができるようになる点、中国への理解が豊富になる点、中国と世界トップクラスの教育を受けられる点などから、中国での就職や各種トップ企業の仕事を見つけることが多少は容易になると考えられます。Yenching Academy自体も、中国関連では最も著名な修士プログラムの一つなので、そのプログラムを修了したという経歴は、卒業後のキャリアで武器となり得るでしょう。

実際、Yenching Academyというコミュニティには、中国や様々なトップ企業での仕事が見つけやすくなりそうなネットワークや情報が豊富にあります。

 

2.9 中国への理解

わかるようでわからない国・変化が早い国・色々と色々な意味ですごい国・でも世界でどんどん重要になっている国=中国を、北京にある北京大学/Yenching Academyという最高の環境で、様々な活動を通じて直に経験し、学び、理解を深めることができます。中国は上述のような国であるからこそ、実際に内部に入って学ぶことに大きな意味があると思います。

 

3. Yenching Academyの奨学生と環境

北京の故宮を訪れた際のYenching Academyの集合写真

世界中からの数千以上の応募から選ばれただけあって、奨学生には色々な「すごい人達」が集まっているように感じます。共通点としては、各国の良い大学をかなり良い成績で卒業したような人が基本的には多いのではないでしょうか。それに加えて/あるいは、働いたことがあるのであれば、それなりに名の通った一流組織に所属していたり、そうじゃなくても、自分で何かを立ち上げたり、何かを達成したことのある人が多いと感じます。

中国で行われる修士プログラムというだけあって、基本的にみんな何かしら「中国に関連する関心や達成したい目標」があるはずです。それに向かって、奨学生はYenching Scholarとして中国にいる間や卒業後に、起業家や経営者、政治家、研究者、政府職員、国際機関職員、ビジネスマンなどとなっていくはずです。

ただ、ここでYenching Academyの特徴として特に注目すべきなのは、Yenching Academyには非常に多様な奨学生が集まっているということです。というのも、Yenching Academyのような非常に競争的な全額奨学金プログラムはいわゆる「エリートプログラム」となり、いわゆる欧米のトップ大学や一流組織の出身者が大多数を占めがちですが、Yenching Academyの奨学生の出身大学と出身組織の国とレベルは非常に多様です。例えば、現地国では有名でも国際的には知られていない大学の出身者や面白い事をしていても有名ではない組織の出身者などが多くいます。もちろん、ハーバードやオックスフォードのような欧米のトップ大学もいいのですが、人と環境の多様性という意味ではYenching Academyのように欧米のトップ大学に限らず世界中から様々な人を受け入れているのは非常に良いことだと思います。また、大学時代の成績も必ずしもかなり良い成績で卒業したような人だけに限っている訳でもなさそうです。

また、Yenching Academyは、例えば、清華大学のSchwarzman Scholarsに比べて圧倒的に「中国的なプログラム」です。まず、Yenching Academyや北京大学で受講する授業の教授や修士論文などの指導教授はほとんどが中国人です。もちろん、海外で教育を受けている中国人の教授も多いので、それぞれの教授がどれくらい中国的かということは人によります。ただ、中国で中国人からより中国的なことを学びたいと思うなら、Yenching Academyはとても良い環境でしょう。一方で、Schwarzman Scholarsは、欧米を中心とした非中国人の教授が多い非常に「欧米的なプログラム」のようです。さらに、Yenching Academyの中国人奨学生は「中国本土の大学出身者」に限定されています。つまり、中国人でも中国国外の大学出身者はYenching Academyへの応募をすることができません。確かに、Yenching Academyの中国人奨学生の多くも、短/長期留学経験や様々な海外経験などがありますが、それでもやはり「中国本土の大学出身」で「ほとんどの教育を中国で受けてきた」中国人奨学生は比較的中国的な中国人です。一方で、Schwarzman Scholarsの中国人奨学生には、欧米のトップ大学出身者や海外経験の長い中国人がとても多いので、そのような学生は比較的中国的ではない中国人になりがちです。別にどちらが良いという訳ではありませんが、これらのことから、Yenching Academyはとても中国的なプログラムとなっています。

自分がこのようなYenching Academyの環境で特に良いと思うところは、一般的に「すごい」とされる人やコトがある意味「普通」のような認識で存在していることです。というのも、多くの人が「すごい大学」を出たり、「すごい会社」で働いたり、「すごい活動」をしていたりするので、それらがある意味このようなプログラムの中では「スタンダード=基本」になってしまっているためです。このような環境は、ある意味怖くもありますが笑、もし自分が何か高い目標を持っていてそれに本気で挑戦したいと思っているのであれば、最高のことだと思います。みんな何か高い目標や野望を持っていたり、実際に様々なことに挑戦していたりするので、そうでないことの方がむしろ浮くかもしれない環境、あるいは自分も何かに挑戦してみようと背中を押されるよう環境とも言えるかもしれません。色々なことを頑張っていると、よく日本では必ずしも良くない意味で「意識高い系」なんていう風に呼ばれたりしますが、このようなプログラムではそんな考え方が存在し得ません。だって、みんなある意味「超意識高い系」なんだから。笑 逆に、「意識低い系」なんて考え方のほうがあり得るかもしれません。笑

だから、Yenching Academyには、例えば、自分で組織を立ち上げて運営してたり、テレビに出てたり、様々な媒体で記事を書いてたり、何かすごい賞を受賞したりと、色々な人がいるけど、すごいなーと思うだけでそれほど驚かなくなります。「まあ、あいつなんだからそういうこともあるよね」みたいな感覚です。そんな環境なら、自分ももっといろんなことに挑戦して頑張れそうじゃないですか?

YCA日本人卒業生も、シンクタンク、アカデミア、中央官庁、銀行、コンサル、シンクタンク、ジャーナリズムなど幅広い分野で日本国内や世界各地で活躍しています!

 

4. どんな人に向いてる?

Yenching Global Symposiumにおける活動(視察)の様子

まず、「中国について何かしらの興味がある」ことが大前提です。その上で、以下のような人がYenching Academyのようなプログラムに向いていると考えられるのではないでしょうか。

  1. (お金はないけど)中国で/海外で修士を取りたい人
  2. 何かしらのグローバルリーダーになりたい人
  3. 何か達成したい目標や野望がある人
  4. 柔軟なタイムスケジュールで修士を取りたい人
  5. 世界中の優秀な人と共に学びたい人
  6. 世界中の様々な人とネットワークを築きたい人
  7. 世界トップクラスの教育が受けたい人
  8. 中国への理解を深めたい人
  9. 挑戦的な環境に身を置きたい人
  10. これからもっと色々なことに挑戦して達成していきたい人

 

5. まとめ

北京大学のYenching Academyは日本ではまだまだ知名度がないですが、中国やアジアに興味がある人にとっては最高のプログラムの一つだと思ったのでまとめてみました!奨学金などの待遇も非常に充実していますしね...笑 ただ、国際的には中国に興味のある人の間で有名になりつつあり、とても人気で競争的なプログラムとなっているので、入りづらいのも事実です。近年日本人学生の数はやや増加傾向にあり、2018年までは歴代あわせても5人しか日本人学生がいなかったのに対し、2023年は4人、2024年は2人の日本人が入学しています。とはいえ、日本の人口や中国の隣国という位置を考慮すると、まだまだ少ないという風にいえると思います。日本人にとっても、中国人にとっても、他の海外の学生にとっても、中国というアジアの国で行われるプログラムに重要な隣国の日本から学生がいることは非常に大切かつ有益だと思います。なので、ぜひYenching Academyのような素晴らしいプログラムで、もっと多くの日本人にも活躍してほしいなと願っています。

※2025年8月に入学のクラスの応募締切は2024年12月1日の13:00(日本時間)です!

 

次回は、Yenching Academyに挑戦してみようという人のために、Yenching Academyへの応募について、わたしの分かる限りで様々な情報やアドバイスをまとめます。わたしは実際にYenching Academyへの応募を経験して、合格もしているので、応募書類の作成にあたって多少は参考になるかと思います。是非見てみてください!そして、応募されるなら頑張ってください!

 

 

#中国 #留学 #大学院 #奨学金 #北京大学 #燕京学堂 #YenchingAcademy #SchwarzmanScholars

 

 

 

 

【2024年日本向け説明会のお知らせ】北京大学の全額奨学金修士プログラム:燕京学堂について(2024/9/8(日)21:00-22:00)

北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)日本向け説明会2024

北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)日本向け説明会2024

 

北京大学の大学院への進学に関する説明会】

9/8(日)21:00〜22:00(日本時間)にオンラインにて、北京大学の大学院・燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)に関する説明会を行います!

北京大学燕京学堂は、中国と世界への理解を深めた次世代のグローバルリーダーを養成するために設立された中国学に関する学際的な修士プログラムで、充実した奨学金や幅広い専攻領域があるなど、魅力が満載のプログラムですので、中国の大学院に進学したい方やグローバルに活躍したい方、中国に関心のある方はぜひご参加ください!

  1. 充実した奨学金:本プログラムの学生は、全額支給奨学金として学費や往復航空券、学生寮、生活費などの支援を受けられます。
  2. 幅広い専攻領域:奨学生は6つの領域(a.政治学/国際関係学 b.哲学/宗教学 c.文学/文化学 d.法律学/社会学 e.歴史学/考古学 f.経済学/経営学)から専攻を1つ選び、原則2年間で中国学(China Studies)の修士号を取得できます
  3. 充実した課外活動:プログラムの支援によるフィールドトリップや、学術会議(Yenching Global Symposium)の運営など、中国を探索して自身の学びを深める機会やリーダーシップを発揮できる活動に多く恵まれています。

 

本説明会は、二部構成です。前半は、日本人現役生・卒業生(7名参加予定)がプログラムについて説明し、後半では参加者の様々な疑問に直接答えます。説明会での使用言語は日本語(+英語)です。

参加されたい方は、後ほどzoomのリンクを送らせていただくため、Googleフォームからの事前の申し込みをお願いできればと思います。

皆様のご参加をお待ちしております!

 

Googleフォーム: https://forms.gle/QyDYAQP1pisoLFzu8


北京大学燕京学堂のホームページ: https://yenchingacademy.pku.edu.cn

 

北京大学燕京学堂に関するその他の記事(これらの記事には少し古い情報も含まれるので、最新の情報についてはプログラムの公式ホームページ(上述)もご覧ください):

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

【2023年日本向け説明会のお知らせ】北京大学大学院燕京学堂(2023/9/9(土)21:00-22:00)

北京大学大学院燕京学堂 日本向け説明会のお知らせ(2024/9/8(日)21:00-22:00)】

kazukiearth.hatenadiary.jp

 

北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)日本向け説明会2023

北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)日本向け説明会2023

 

【大学院説明会のお知らせ】

9/9(土)21:00〜オンラインで、中国の大学院に進学したい方やグローバルに活躍したい方、中国に関心のある方を対象に、北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)の説明会を行います!

(説明会は1時間半を予定しています。前半(30分)では、Yenching Academyに関する全般的な説明を行います。後半(60分)では、パネルディスカッションとQ&Aセッションを行います。上の画像では22:00までとなってしまっていますが、実際は1時間半の予定です。

 

北京大学燕京学堂は、中国と世界への理解を深めた次世代のグローバルリーダーを養成するために設立された全額支給奨学金修士プログラムです。

 

奨学生は6つの領域(1.政治学/国際関係学 2.哲学/宗教学 3.文学/文化学 4.法律学/社会学 5.歴史学/考古学 6.経済学/経営学)から専攻を1つ選び、原則2年間で中国学(China Studies)の修士号を修めます。

 

毎年125人程ある入学枠は、中国を含む約40カ国からの学生で構成されています。

 

本プログラムの学生は、全額支給奨学金として学費や往復航空券、学生寮、生活費などの支援を受けられることに加え、フィールドトリップなどの豊富な課外活動にも参加することができます!

 

本説明会は、二部構成です。前半は、日本人奨学生・卒業生(7名参加予定)がプログラムについて説明し、後半では参加者の様々な疑問に直接答えます。説明会での使用言語は日本語(+英語)です。

 

応募を考えている方はもちろん、関心のある方は是非出席してみてください。

後ほどzoomのリンクを送らせていただくため、Googleフォームからの事前の申し込み必須です!

お待ちしております!

 

Googleフォーム : https://forms.gle/FfXDXxzM21h8Ldmh8

 

北京大学燕京学堂のホームページhttps://yenchingacademy.pku.edu.cn

 

北京大学燕京学堂に関するその他の記事(これらの記事には少し古い情報も含まれるので、最新の情報についてはプログラムの公式ホームページ(上述)もご覧ください):

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【2022年説明会のお知らせ】北京大学大学院燕京学堂(2022/10/8(土)21:00-22:00)

北京大学大学院燕京学堂 日本向け説明会のお知らせ(2024/9/8(日)21:00-22:00)】

kazukiearth.hatenadiary.jp

【大学院説明会のお知らせ】

10/8(土)21:00〜22:00にオンラインで、中国の大学院に進学したい方やグローバルに活躍したい方、中国に関心のある方を対象に、北京大学大学院燕京学堂(Yenching Academy of Peking University)の説明会を行います!

 

北京大学燕京学堂は、中国と世界への理解を深めた次世代のグローバルリーダーを養成するために設立された全額支給奨学金修士プログラムです。

 

奨学生は6つの領域(1.政治学/国際関係学 2.哲学/宗教学 3.文学/文化学 4.法律学/社会学 5.歴史学/考古学 6.経済学/経営学)から専攻を1つ選び、原則2年間で中国学(China Studies)の修士号を修めます。

 

毎年125人程ある入学枠は、中国を含む約40カ国からの学生で構成されています。

 

本プログラムの学生は、全額支給奨学金として学費や往復航空券、学生寮、生活費などの支援を受けられることに加え、フィールドトリップなどの豊富な課外活動にも参加することができます!

 

本説明会は、二部構成です。前半は、日本人奨学生・卒業生(5名参加予定)がプログラムについて説明し、後半では参加者の様々な疑問に直接答えます。説明会での使用言語は日本語(+英語)です。

 

応募を考えている方はもちろん、関心のある方は是非出席してみてください。

後ほどzoomのリンクを送らせていただくため、Googleフォームからの事前の申し込み必須です!

お待ちしております!

 

Googleフォーム : https://forms.gle/Hr3hj6qdbRTwg2p78

 

北京大学燕京学堂のホームページ: https://yenchingacademy.pku.edu.cn

 

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